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ハンコ並び、上司にペコリと「おじぎ」…ビジネスマナー?電子印鑑でも増殖中

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[New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「ビジネスマナー」。

 金融業界などの一部で慣習とされる「おじぎ印」をご存じか。社内の決裁書などに回覧印を押す際、部下ほど印影を左に傾け、隣に並ぶ上司のハンコに向けて頭を下げているように見せる。さすがに行き過ぎた礼儀だとの声も出るが、脱ハンコやデジタル化の流れをものともせず、今後も残り続けそうだ。

上司へ傾け押印、金融などで慣習

 2002年に3行の統合・再編でみずほ銀行が発足した2年後。「書類に押印する時は支店長に向かっておじぎするように傾けろ」。転勤で都内の支店に着任した奥野良孝さん(当時38歳)は、旧第一勧業銀行出身の上司の指示に驚きを隠せなかった。自身の古巣となる旧富士銀行では、当然のように真っすぐに押印していたからだ。

 その後はおじぎ印を押す度、ひっくり返して傾ける角度を念入りに確認することが欠かせず、面倒だとも感じたという。現在は銀行を離れ、再建を担った中堅企業の役員を務める奥野さんは「従業員が数万人の会社で行えば『チリも積もれば』で、手間と時間のロスはかなりの無駄なコストになる」と指摘する。

 みずほ銀行は20年春以降、行内外の手続きで脱ハンコを加速させ、「現在、おじぎ印は行っていない」(幹部)としている。

 そもそも、おじぎ印は礼儀なのか、行き過ぎなのか。業界団体「全日本印章業協会」の福島恵一副会長によると、押印は文字が真っすぐになるのが正しい方法だという。斜めに傾けるのは「美しい押し方ではなく、礼儀とも言えない」(福島氏)と、決してお勧めはしていない。

角度は1度単位で指定可能…導入企業30倍に

 では、脱ハンコが進めば廃れゆくのかと思えば、そうでもなさそうだ。業界最大手のシヤチハタ(名古屋市)は20年11月、企業向けに提供する電子印鑑サービス「シヤチハタクラウド」で、新たにおじぎ印の機能を設けた。オンライン上で押印する際、印鑑の種類を選べるだけでなく、回転させる角度を1度単位で指定できる。開発担当者は「ユーザー企業から要望があり、ニーズに応えて利便性を高めることが目的」と説明する。

 同社の電子印鑑サービスを新たに導入する企業は、在宅勤務が広がった20年3~6月は約27万社に上り、以前の30倍超に急増した。全体としては脱ハンコが進みつつも、パソコンで手軽にできるようになったおじぎ印に限れば、むしろ取り入れる企業は増えそうな勢いである。

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1757867 0 経済 2021/01/09 05:00:00 2021/01/10 23:19:51 2021/01/10 23:19:51 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210108-OYT1I50084-T.jpg?type=thumbnail

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