来年の大河に早くも期待、小栗旬さん演じる主人公の「生誕地」
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2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、俳優の小栗旬さんが演じる主人公・北条義時の生誕地とされる静岡県伊豆の国市では、来年のドラマ公開を前に、新型コロナウイルスで打撃を受けている観光事業の起爆剤にしようと、早くも期待感が高まっている。
「鎌倉殿の13人」は、人気劇作家の三谷幸喜さんが脚本を担当、義時を中心とした鎌倉幕府を誕生させた家臣団の姿を描く。ドラマの最初の方で、江間小四郎と呼ばれた義時が誕生した伊豆の国市を中心とする伊豆地域が舞台となる予定だ。
市内には、江間公園周辺が義時の館跡とされるほか、北条一族が鎌倉に移るまで本拠地とした史跡・北条氏邸跡や源頼朝の流刑地だった蛭ヶ小島など、ゆかりの地が多い。
大河の舞台になったとの発表は昨年1月8日にあった。当初、東京五輪・パラリンピック後の観光の大きな目玉になるとして、市は関連事業の計画策定などに動き出したが、その後、新型コロナの感染が拡大した。

市観光協会理事で旅館「小松家八の坊」社長の望月敬太さん(35)は「観光地としての期待はすごいものがある」として、3月に協会でPR用ののぼり旗400本を製作、市内の観光名所などに掲げて、新型コロナの影響を注視しつつ、機運の盛り上げに乗り出した。
市も、小野登志子市長を会長に官民合同の「大河ドラマ『鎌倉殿の13人』伊豆の国市推進協議会」を7月に設置。11月には市観光文化部に大河ドラマ推進課を発足させた。
12月に入ってからは、観光パンフレットや土産物などに利用出来るPRロゴマークを制作。また、映像などで大河ドラマの世界を体験出来る「大河ドラマ館」の設置構想を打ち出し、事業計画を加速させている。
小野市長は「ドラマ開始まで残り1年。コロナも気になるが、観光関係者や市民にも義時のことを学んでもらい、観光客を迎えられるように準備したい」と、期待感をにじませる。
望月さんも「コロナで観光関係者はみんな下を向いている。どうやれば上を向かせられるのか。大河に賭けるしかない」と、熱い思いを語る。現在、望月さんら若手観光業者らは、AR(拡張現実)を使った、市内の義時ゆかりの地巡りが出来ないか、検討している。「市内のどこでも義時に会えるような仕掛けにしたい」と話し、資金はクラウドファンディングの利用を考えている。
◆北条義時=鎌倉幕府の初代執権・北条時政の次男で、姉は源頼朝の妻政子。「江間小四郎」と呼ばれ、現在の伊豆の国市江間地区に住んだという。後に2代目執権となる。