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聖火先導の白バイ、名車「メグロ」55年ぶり復活…バイクに「ネオ・クラシック」ブーム

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 1964年の東京五輪の聖火リレーを先導した白バイにも採用された国産大型バイクの草分けである「メグロ」が2月、川崎重工業(本社・神戸市)の手で55年ぶりに復活する。戦後、二輪車メーカーの乱立で姿を消した往年の名車が現代によみがえる背景には、レトロなデザインを再評価する消費者の好みも影響しているようだ。(経済部 小野田潤)

「こいつにまたがると心がハタチに戻る」

「メグロ K3」の開発に携わった川崎重工業の猪野さん(左)ら(20日、神戸市中央区のカワサキワールドで)=八木良樹撮影
「メグロ K3」の開発に携わった川崎重工業の猪野さん(左)ら(20日、神戸市中央区のカワサキワールドで)=八木良樹撮影
「メグロ」の白バイは1964年の東京五輪でも活躍した(川崎重工業提供)
「メグロ」の白バイは1964年の東京五輪でも活躍した(川崎重工業提供)

 メグロは「目黒製作所」(東京)が37年に生産を始めたとされる。走行性能に優れ、57年の国内のバイク耐久レースでは1、2、4、5位と上位をほぼ独占した。当時の日本を代表するブランドで、60年代までは全国の警察で白バイとしても使われていた。

 だが、メーカーの競争激化で、目黒製作所は64年に川崎航空機工業(現・川崎重工業)に吸収合併されて消滅。メグロの販売も66年に終了した。

 それでも長年乗り続けるファンがいる。全国からバイクの愛好家が訪れる兵庫県・淡路島の宿泊施設「アワジ ツーリスト トロフィーハウス」のオーナーで元レーサーの正井均さん(65)は54~57年式のメグロを3台所有する。「エンジンの鼓動を通じた一体感がたまらない。こいつにまたがると心がハタチに戻る」と魅力を語る。

 川崎重工が2月1日に売り出す「メグロ K3」(排気量773cc、消費税込み127万6000円)は、65年発売の「カワサキ500メグロK2」の外観を忠実に再現。一方で、スリップを防ぐ「ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)」やLEDヘッドライトなど現代の最新鋭技術を随所に取り入れている。

 昨年11月に発売が決まると、同社には20~70歳代の幅広い年代から問い合わせがあった。正井さんも「日本のバイクの歴史に光が当たる機会になる」と喜ぶ。

二輪販売復調

 復活の背景には、二輪車市場の近年の潮流がある。 国内の販売台数(排気量51cc以上)は、85年の44万台から少子高齢化の影響で2011年に18万台まで落ち込んだが、19年は23万台と前年から約2%伸びた。近年の回復を後押ししているのが、落ち着いた外観で最新技術を盛り込んだ「ネオ・クラシック」ブームだ。

 ホンダが18年に発売した「スーパーカブC125」は1958年発売の「C100」そっくりの外観が人気を呼び、全世界で約3万台を売り上げた。

 ブームについて、業界では「中高年の関心を呼び起こしただけでなく、古いデザインが現代の若者にも逆に新鮮に映っている」(ヤマハ発動機)と分析する。メグロの開発を担った川崎重工の猪野精一さん(61)は「伝統と新しさを兼ね備えた『令和のメグロ』を目指した。若者にもバイクの魅力が伝わる1台になれば」と話している。

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1808222 0 経済 2021/01/30 14:07:00 2021/01/30 16:55:48 2021/01/30 16:55:48 カワサキ「MEGURO K3」の開発に携わった(左から)猪野さん、赤松さん、鮎川さん、松宮さん(20日、神戸市中央区のカワサキワールドで)=八木良樹撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210130-OYT1I50037-T.jpg?type=thumbnail

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