楽天「モバイル」が重荷、最終赤字1141億円に…ネット通販は「巣ごもり需要」で好調

 楽天が12日発表した2020年12月期連結決算(国際会計基準)は、最終利益が1141億円の赤字(前期は318億円の赤字)となった。2期連続の最終赤字で、赤字額は2000年の上場以来、最大。基地局整備など携帯電話事業の先行投資が重荷となった。

 本業のもうけを示す営業利益は、938億円の赤字(同727億円の黒字)だった。なかでも、携帯電話を含む「モバイル事業」の営業赤字が2269億円に膨らんだ。NTTドコモなど大手3社に比べて脆弱ぜいじゃくな利用エリアを拡大させるため、基地局整備を加速させているのが要因だ。

 12日には現行の主流規格「4G」の屋外基地局数を従来計画から60%増やすことも表明した。1月末に約220万件だった申込数が今月8日までに30万件増と、想定を上回るペースで伸びており、通信網を強化する必要があるという。

 三木谷浩史会長兼社長は12日のオンライン記者会見で、「(23年度の)黒字化目標を前倒しできるのではないか」と述べたが、今期は投資が先行して赤字が続く可能性がある。

 一方、20年12月期の売上高にあたる売上収益は前期比15・2%増の1兆4555億円で過去最高だった。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「巣ごもり需要」が旺盛で、主力のネット通販「楽天市場」の年間流通総額が初めて3兆円を超えた。クレジットカードや銀行といった金融事業も堅調だった。

 楽天は、金融や携帯など子会社の機動力を高めるため、4月から社名を「楽天グループ」に変更する。三木谷氏は「事業の特性に応じて外部資本が入ることも考え得る」と述べ、子会社の株式上場にも含みを持たせた。

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