米国産品の大量購入「中国は約束順守を」…USTR代表候補が要求
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【ワシントン=山内竜介】米国のバイデン大統領が通商代表部(USTR)代表に指名したキャサリン・タイ氏が25日、議会上院の承認公聴会に出席した。トランプ前政権下で発効した米中の貿易協議「第1段階」合意について「中国は約束を守る必要がある」と述べ、米国産品の大量購入や知的財産権の保護といった合意内容を順守するよう求めた。
タイ氏は、対中政策に関して「国家主導型の経済モデルに対抗するには、戦略的かつ一貫した計画が重要だ」と強調し、不公平な慣行の是正に向けて中国への厳しい姿勢を維持する考えを示した。
トランプ前政権が日本を含む各国に発動した鉄鋼やアルミニウムへの追加関税を巡っては、「関税は正当な手段だ」との認識を示した。環太平洋経済連携協定(TPP)については、オバマ政権が交渉を推進した当時と比べて「今の世界は(状況が)大きく異なっている」と述べ、早期の交渉復帰に慎重なバイデン政権の姿勢を改めて示した。
タイ氏は中国との通商問題に詳しい弁護士。両親は中国で生まれ、台湾で育った。議会の承認を経て就任すれば、アジア系女性として初のUSTR代表となる。