完全にあて外れた・とどめ刺された…「まん延防止」適用、松島は閑古鳥
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新型コロナウイルスの対策を強化する「まん延防止等重点措置」があす5日から適用されるのを控え、日本三景・松島では春の行楽シーズンにもかかわらず、閑散としていた。

土産店を営む「鈴木屋」の店主の男性(66)によると、3日の客足は、3月上旬の週末の3分の1ほど。首都圏の緊急事態宣言の解除で一時にぎわいを取り戻したが、再び人出が減ったという。「春休みで活気づく時期だが、完全にあてが外れた。耐えるしかない」と表情を曇らせた。

松島名物の遊覧船も苦境が続く。「丸文松島汽船」は3月後半から1日18便の定期船運航を再開した。400人乗りから90人乗りの小型船に切り替えるなど対策を講じているが、重点措置の適用が決まり、団体客のキャンセルが相次ぐ。同社の佐藤守郎専務は「とどめを刺された感じ。感染防止対策にも金がかかる。飲食店も大変だろうが、もうけが少なく燃料代にも届かない我々の苦しみも知ってほしい」と嘆いた。
柴田、大河原両町にまたがる桜の名所「一目千本桜」では、見頃を迎えたものの花見の自粛が呼びかけられている。昨年に続き、臨時駐車場は開設されず、町の広報車が回って「感染予防に留意し、密を避け、立ち止まらないようお願いします」とアナウンスを繰り返した。歩きながら桜を写真に収めていた仙台市青葉区の公認会計士の男性(60)は「コロナ禍のお花見にももう慣れました」と話した。