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[経済転換]ビール・飲料<番外編>

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消費スタイル 常に変化…キリンホールディングス 磯崎功典社長

いそざき・よしのり 1977年入社。米国でホテル経営学を学ぶ。兵庫県のキリン工場跡地にオープンしたホテルの初代総支配人を務めた。15年にキリンホールディングス社長に就任。ブラジル事業や国内飲料の立て直しなど構造改革を進めた。67歳
いそざき・よしのり 1977年入社。米国でホテル経営学を学ぶ。兵庫県のキリン工場跡地にオープンしたホテルの初代総支配人を務めた。15年にキリンホールディングス社長に就任。ブラジル事業や国内飲料の立て直しなど構造改革を進めた。67歳

 新型コロナで、消費者のスタイルがどんどん変わっている。もう1年続けば普通になる。家飲みのアルコールはよく売れる。「一番搾り 糖質ゼロ」がここまで売れるとは思わなかった。

 これからは、量ではなく質を追求したい。クラフトビールや(家庭用にサーバーを貸し出す)「ホームタップ」の販売も加速させる。

 客の動向を見て、営業のスタイルも変えなくてはならない。飲食店向けは、いったん店に契約してもらえれば、安定した売り上げが確保されるという考えが強かった。だが、日本は海外と違って飲食店向けの営業がもうからない。器具の提供など支出が多いためだ。市場が伸びているときはいいが、縮小の時代だ。

 一方で、家庭向けはたくさんの商品があり、選ぶのは客だ。大変な道だが、ブランド力を高めて家庭向けを強化する方向に勝負をかけた。そのため、コロナ禍でも落ち込みが比較的少なくて済んだ。

 アルコールビジネスがなくなることはないが、高齢化が進めば飲む人が減る。若い人はお酒以外に幅広いことに関心があり、飲む量は減っていく。適正な飲酒が求められる中で、健康領域に力を入れている。コロナで健康意識が高まり、(決断が)いい方向に回っている。

 自分の社長在任期間だけを考えれば新領域に入る必要はない。だが、成長する会社でなければ、多くの客に支持されることはない。

アルコール市場 衰えぬ…アサヒグループホールディングス 小路明善会長

こうじ・あきよし 1975年入社。労働組合の専従が長く、経営が厳しかった時代に工場閉鎖などに向き合った。16年にアサヒグループホールディングス社長に就任し、欧州や豪州の企業を買収。世界3位のビール企業にした。21年3月から会長。69歳
こうじ・あきよし 1975年入社。労働組合の専従が長く、経営が厳しかった時代に工場閉鎖などに向き合った。16年にアサヒグループホールディングス社長に就任し、欧州や豪州の企業を買収。世界3位のビール企業にした。21年3月から会長。69歳

 新型コロナで打撃を受けたが、学んだことも多い。家飲み向けには、缶ビールを売るだけではダメだ。家庭での食事を楽しくするためには、見て楽しむ、飲んで楽しむ体験価値が必要になる。今回発売した「スーパードライ 生ジョッキ缶」は、缶のふたを開けるとワクワクする。飲む前に変化を見る行為に価値を感じてもらう商品と言える。

 オンライン飲み会はリアルではできない体験ができる。世界共通の飲み物であるビールを介して、世界各地で同時につながれる。

 この数年間、当社は市場を創出するような新しい飲み方の提案ができていなかった。アルコールを飲む人も、飲まない人も一堂に楽しめるようにしようという「スマートドリンキング宣言」をした。今までは飲める人だけが飲み会を開くという風潮だった。アルコール度数0・5%の「ビアリー」のような低アルコール商品の販売を3倍に伸ばしたい。

 スーパードライはメガブランド過ぎて、手を付けられなかった。販売戦略が30年前と同じで画一的だった。それが今の停滞につながっている。スーパードライをいかに本当のロングセラーブランドに育てるかは、経営者の使命だ。

 世界の人口は将来100億人になり、市場はまだ拡大する。アルコールは心を潤すから飲まれる。生活になくてはならないものだ。衰退することはないと自信を持っている。

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1986328 1 経済 2021/04/15 05:00:00 2021/04/15 05:00:00 2021/04/15 05:00:00 インタビューに応じるキリンHDの磯崎功典社長(3月10日、東京都中野区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210415-OYT1I50002-T.jpg?type=thumbnail

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