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豚熱感染逃れた「奇跡」のブタ、特産野菜と地下水でブランド化へ…荒島ポーク

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 福井県大野市特産の食材や地下水で育てた豚「越前おおの荒島ポーク」のブランド化を目指し、生産者らが知恵を絞っている。荒島ポークは、2年前に県内で猛威を振るった家畜伝染病「CSF(豚熱=とんコレラ)」を免れ、地域住民らの期待を集める。生産者らは「『大野と言えば荒島ポーク』と言われるぐらい有名にさせたい」と意気込む。(西平大毅)

■豚熱感染せず「奇跡」

「大野と言えば豚」と言われるようになりたいと話す安川さん(中央)ら(大野市で)
「大野と言えば豚」と言われるようになりたいと話す安川さん(中央)ら(大野市で)

 越前おおの荒島ポークを育てるのは、市内の農事組合法人「安川ファーム」。代表理事の安川美幸さん(64)が約20年前から飼育を始め、現在は約200頭がそろう。

餌などにこだわって飼育される越前おおの荒島ポーク(大野市で)=伊藤公一さん提供
餌などにこだわって飼育される越前おおの荒島ポーク(大野市で)=伊藤公一さん提供

 脂身に臭みがなく、やわらかく甘さを感じられるのが特徴だ。鍵は餌と飲み水。飼育を始めた当初から、市販の餌は使わず、同市特産の里芋や老舗蔵元「真名鶴酒造」の酒かすなどを配合した餌を用い、水道水に使われる地下水を飲ませている。安川さんは「人が口にするのと同じものを与えると臭みがなくなる」と説明する。

 飼育が軌道に乗り、「生まれ育った大野に豚を残したい」とブランド化を模索していた安川さんに2019年、立ちはだかったのが豚熱だった。同年7月、養豚場の2キロ・メートル圏内で豚熱に感染した野生イノシシが捕獲された。他地域でも感染確認が報告されており、「いよいよここにも来たかと思った」。

 その後、県内の養豚場にも感染が広まり、飼育する豚すべての殺処分で廃業に追い込まれた生産者もいた。

 しかし、安川さんは、県家畜保健衛生所の担当者に「もう感染していると思ってほしい」と伝えられても、諦めなかった。「絶対に守り抜く」。養豚場の周囲に防護柵やネットを隙間なく設け、感染防止対策を徹底。ついに安川さんの養豚場からは感染した豚は出ず、同業者らから「奇跡だ」と称された。

■道の駅、飲食店で提供

 そして昨年秋頃、安川さんはブランド化に本格的に乗り出した。市や大野商工会議所と連携し、今年3月に「越前おおの荒島ポークを育てる会」を結成。日本百名山の荒島岳や豚のイラストが入ったロゴマークやのぼり旗も作り、観光客らにPRを始めた。

越前おおの荒島ポークを用いたステーキ
越前おおの荒島ポークを用いたステーキ

 荒島ポークは4月にオープンした県内最大級の道の駅「越前おおの 荒島のさと」(大野市蕨生)などで販売されているほか、市内では荒島ポークを使った料理を提供する飲食店もある。

 フレンチレストラン「ビストロシャルム」(同市陽明町)は、「肩ロースのローストポーク」や「背肉ロースのステーキ」などがある「荒島ポークスペシャルフルコース」(税込み5500円、要予約)を用意した。

 オーナーシェフの村田勝俊さん(57)は「『脂身があっさりしている』と客からも好評だ。これからも使い続けたい」と笑顔を見せる。

 安川さんは現在、さらなる販路拡大に向けて準備を進める。「取り組みは始まったばかり。堂々と『大野産のブランド』と言えるよう、おいしいものを作り続けたい」

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2040842 0 経済 2021/05/10 14:23:00 2021/05/10 14:23:00 2021/05/10 14:23:00 「大野と言えば豚」と言われるようになりたいと話す安川さん(中央)ら(大野市で)=西平大毅撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210510-OYT1I50063-T.jpg?type=thumbnail

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