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東芝総会「公正さ欠いた」、海外株主提案を「経産省と妨害」

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 東芝は10日、昨年7月に開かれた定時株主総会を巡り、弁護士による外部調査の報告書を公表した。東芝が経済産業省と緊密に連携して海外ファンドが株主の権利を行使するのを妨げようとしたとして、総会が「公正に運営されたものとはいえない」と結論づけた。

 東芝は株主総会に先立ち、投資ファンド2社から別々に、ファンドが選んだ社外取締役を選任するよう提案を受けた。東芝の株主は外国人投資家が6割超を占め、ファンドの提案が通る可能性があった。

 報告書によると、東芝は経産省に株主対応を支援するよう依頼し、経産省の課長らが投資ファンドに対して、株主提案の取り下げや、他の投資ファンドの提案に賛成しないよう働きかけたという。その際、「改正外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく何らかの措置が取られる可能性があることを示唆し、一定の影響を与えた」と認定した。

 改正外為法は昨年5月に施行され、東芝は原発などを手がけ、安全保障の観点で重要な「コア業種」に位置づけられている。

 報告書は当時の車谷暢昭社長が同年5月、当時官房長官だった菅首相との朝食会に出席した際、経産省と連携して株主対応にあたる旨を「説明したと推認される」と指摘した。これに関し、菅首相は10日夜、「まったく承知していない。そのようなことはあり得ない」と否定した。

 経産省は報告書について「内容について確認中」としている。東芝は10日、「当社の対応等については、報告書の内容を慎重に検討の上、後日開示する」とコメントを出した。

 筆頭株主の「エフィッシモキャピタルマネージメント」が今年3月の臨時株主総会で、「昨年7月の株主総会について、公正性に疑いがある」として外部調査を求める株主提案を行い、可決された。エフィッシモが提案した社外の弁護士3人が、会社法に基づき調査していた。エフィッシモは旧村上ファンド出身者が運営する投資ファンド。

調査報告書のポイント

→昨年の定時総会は公正に運営されたとはいえない

→東芝は株主対応で経済産業省に支援を求めた

→経産省は改正外為法に基づく措置の可能性を示唆し、影響を一部の株主に与えた

→東芝と経産省は連携して投資ファンドに株主提案の取り下げや、議決権の不行使などを働きかけ、一部ファンドは議決権を行使しなかった

→東芝の監査委員会は総会後、こうした事実の一端を認識しながら問題視しなかった

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2116610 1 経済 2021/06/11 05:00:00 2021/06/11 05:00:00 2021/06/11 05:00:00

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