減り続ける銭湯を救え!「無理な商売」自覚しながら老朽6軒を経営

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湊 三次郎さん(銭湯活動家)

 レトロな雰囲気が若者に受けるなど、注目を集める銭湯。ブームのきっかけを作った一人が、銭湯文化の継承のため、京都や愛知などで老朽化した6軒の経営を引き受けている湊三次郎さん(30)だ。「銭湯活動家」を名乗る。「もうこれ以上、火を消したくない」との思いを胸に、新たに経営を任せてくれるオーナーを探し、走り回っている。(生活部 崎長敬志)

漁で使った縄がジャケットに変身…「地域アピールの機会にも」
湊三次郎さん=中根新太郎撮影
湊三次郎さん=中根新太郎撮影

  • みなと・さんじろう  1990年、静岡県浜松市生まれ。ゆとなみ社代表。本名は 雄祐ゆうすけ だが、「響きがいいから」と、銭湯活動家としては、曽祖父の名前、三次郎を使っている。

壊れたボイラー取り換え、左官工事も

 1950年頃に開業した愛知県豊橋市の銭湯「 人参湯(にんじんゆ) 」。老朽化で昨年9月に一度閉業したのを、自身が代表を務め、2018年に設立した団体「ゆとなみ社」で借り受けて、今年4月末に改装オープンさせた。「すごい勢いで減る銭湯をなんとかしたい。豊橋も、人参湯を合わせ、もう2軒しかありません」

 再開に向けて約3か月間、豊橋に滞在しながら、壊れたボイラーの取り換えや浴槽タイルの左官工事などを団体メンバーと行った。費用の一部はクラウドファンディングで賄った。男女共用のロビーを設けて明るく生まれ変わり、多くの客が訪れる。

 新たに経営を託してくれるオーナーを見つけるのは、容易ではないという。「本音を言えば、銭湯は無理な商売です。オーナーにしても、壊してマンションを建て、家賃をもらった方がいい。それでも、『本当は続けたいが、自分ではできない』という人もいるはず。とにかく多くのオーナーに会って、話をしてみるしかありません」

 実際の経営も一筋縄ではいかない。客を増やすため、若者に関心を持ってもらおうと、銭湯の定番・瓶入り牛乳が冷えた様子をSNSでアピールするなど、地道な工夫を重ねる。「好きという熱い思いが原動力になっています」

アパレル系会社から転身

 元々は、一銭湯ファンだった。大学進学で住み始めた京都には古い銭湯も多く、「京都の学生なら行くでしょ」と軽い気持ちで訪れたのがきっかけで、古びた雰囲気にはまった。銭湯のある街並みから醸し出される生活感にも心が反応した。

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2121961 0 経済 2021/06/14 15:00:00 2021/07/08 12:43:07 2021/07/08 12:43:07 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210613-OYT1I50059-T.jpg?type=thumbnail

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