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次世代燃料、海運業界が期待かけるアンモニア…輸送事業参入や燃料で利用

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商船三井のアンモニア輸送船(同社提供)
商船三井のアンモニア輸送船(同社提供)

 世界的な脱炭素の流れを受けて、海運業界が次世代燃料として期待がかかるアンモニアの関連事業を強化している。アンモニアは燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、火力発電所の燃料として利用が拡大する見通しだ。海外の生産国からの輸送事業への再参入や、船舶燃料としての利用拡大などでCO2排出削減につなげたい考えだ。

 商船三井は年内にもアンモニア輸送事業に再参入する。かつては肥料として使われるアンモニアの輸送を手がけていたが、採算悪化で2016年に撤退していた。新たに米エネルギー関連企業に輸送船を貸し出し、船の運航管理を担う。電力業界で火力発電所の燃料をアンモニアに置き換える動きが広がっていることから、「クリーン燃料需要の拡大が見込める」(広報)と判断した。

 川崎汽船は今月、伊藤忠商事や造船会社の日本シップヤードなど国内外22社とともに、アンモニアの船舶燃料としての利用に向けた協議会を設立した。船舶用に適した純度や安全性の検討を進め、早期の実用化を目指す。日本郵船は今月、触媒技術を使ったアンモニア製造装置を研究開発する日本の新興企業に出資した。自社の船舶燃料の調達に向けた布石と位置づける。

 次世代燃料としては水素も有力視されるが、液化して運ぶ際にマイナス253度以下に保つ必要があり、貯蔵や運搬にかかるコストが割高となる。日本郵船は「アンモニアは研究開発も加速している」(曽我貴也専務執行役員)として、船舶燃料としてのアンモニア導入目標を5年前倒しし、29年度に変更した。同社は昨年からジャパンマリンユナイテッドなどとアンモニアを燃料とする船舶の開発も進めている。

 経済産業省によると、アンモニアの世界生産量は年間2億トン。大半が中国やロシア、米国などの生産国で消費され、輸出に回るのは生産量全体の1割にとどまる。世界的な需要拡大で価格高騰を招く懸念もあり、十分な量のアンモニアを安定的に確保できるかが課題となりそうだ。

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2138988 0 経済 2021/06/19 21:42:00 2021/06/19 21:42:00 2021/06/19 21:42:00 商船三井のアンモニア輸送船(同社提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210619-OYT1I50110-T.jpg?type=thumbnail

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