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株主総会、オンラインが急増…株主は「直接モノ申せる貴重な機会なのに」

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 上場企業の株主総会が29日、ピークを迎えた。東京証券取引所によると約630社が集中し、3月期決算の企業の3割近くを占める。コロナ禍2年目の総会は、感染対策でオンライン中継する企業が急増した。会場なしの「完全オンライン総会」の開催に向けて、定款変更する企業も出てきた。

 大和総研によると、オンライン総会を開く企業は前年比9・3ポイント増の14・5%(308社)となった。

 オンライン総会には、実際の会場で開いた総会をネット中継し、株主は動画を視聴するだけの「参加型」と、議決権行使や質問ができる「出席型」がある。参加型が308社のうち93・8%(289社)を占めた。

 6月に改正産業競争力強化法が一部施行され、会場なしの完全オンラインが可能となった。しかし、企業が実施するには株主総会で定款を変更する必要があることなどから、今回のピーク時には完全オンラインはなかった。

 武田薬品工業は大阪市内で午前10時から開いた総会で、完全オンラインを開けるように定款を変更する議案を提出した。感染症拡大や災害で実際の会場を設けた総会を開くのが困難な場合に備えるためだ。

 オンライン総会は、通信の安定性や総会の透明性確保といった課題も指摘される。武田薬品の総会に出席した兵庫県芦屋市の自営業の男性(69)は「株主が経営陣に直接物申せる貴重な機会で、オンラインでは対話にならない。今後もリアル開催を続けるべきだ」と求めた。

 経済産業省によると、今年の総会で約10社が同様の定款変更を提案した。リクルートホールディングス(HD)やソフトバンクグループが既に決議した。大半は原則として実際の総会を開き、完全オンラインは非常時対応を想定しているとみられる。

三菱UFJフィナンシャル・グループの株主総会会場へ向かう株主ら(29日午前、東京都港区で)=大石健登撮影
三菱UFJフィナンシャル・グループの株主総会会場へ向かう株主ら(29日午前、東京都港区で)=大石健登撮影

 感染対策で総会出席者を減らすため、会場で配る土産の中止も相次いだ。三菱UFJ信託銀行によると、約66%の1563社に上り、昨年より48社増えた。

 一方、柏崎刈羽原子力発電所で核防護体制の不備が明らかになった東京電力HDの総会が午前10時から開かれ、小早川智明社長は「広く社会の皆様に不安、不信を抱かせる事案を招いたことを、重く受け止めている」と頭を下げた。三菱UFJフィナンシャル・グループの総会では、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づいた経営戦略を開示するよう求める株主提案があったが、否決された。

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2164513 0 経済 2021/06/29 13:55:00 2021/06/29 13:55:00 2021/06/29 13:55:00 三菱UFJフィナンシャル・グループの株主総会会場へ向かう株主ら(29日午前8時56分、東京都港区で)=大石健登撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210629-OYT1I50085-T.jpg?type=thumbnail

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