【独自】小型の水素ステーション整備、政府の補助金対象に…都市部でも設置しやすく

 政府は、水素で走る燃料電池車(FCV)の普及に向け、小型の水素ステーションの整備に乗り出す。既存のステーションは整備に多額の費用がかかり、補助金制度はあっても事業者が二の足を踏みがちだった。脱炭素の機運が高まるなか、燃えても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素の活用につなげたい考えだ。

普及が期待される小型の水素ステーション。海外では実用化されている(PDCマシンズ提供)

 水素ステーションは建設中を含めて、全国に169か所ある。現在、主流のステーションは工場で作った水素を運び込み、1時間で5~6台に 充填じゅうてん できるタイプで、整備費は約4億円かかる。補助金を使っても事業者は約1億5000万円が必要になる。

 一部には1時間で3~4台に充填できる一回り小さいステーションもあるが、補助金を使っても事業者にはほぼ同額の負担が生じる。

 全国的にステーションの普及が足踏みするなか、特にFCVの利用台数が少ない地方では、高額な初期費用の回収や利益の確保が難しく、整備が進んでいない。ステーションは東京都に23か所、愛知県に37か所など都市部に多く、東北地方で7か所、四国地方では2か所にとどまる。

 このため政府は、来年度をめどに、新たな補助金の対象に1時間の充填能力が1~2台のステーションを加える。このサイズでは大量の水素は必要ないため、運び込むのではなく、設置場所で水を電気分解して製造することを想定している。1か所あたりの整備費は約1億5000万円かかるが、補助金を使えば約5000万円で済む。

 初期費用が下がるため、政府は自治体が公用車としてFCVを試験的に導入するケースで使いやすいとみている。また、広い敷地は必要なく、用地の確保が難しい都市部でも設置が進みやすくなると期待する。

 政府は30年までに水素ステーションを1000基に増やす目標を掲げる。FCVの台数も現状の約4000台から、30年に80万台まで増やす方針だ。小型タイプへの補助金新設と合わせて、既存のステーションの増強にも補助金を出す方針で、今後、具体的な条件などを詰める。

  ◆水素ステーション= 専用の装置で圧縮し、高圧状態にした水素を、ガソリン車のようにノズルを使って車両に吹き込む。FCVは1台あたり約3分で満タンになるが、水素を 充填じゅうてん できる状態にするには時間がかかるため、現在主流のタイプは1時間の充填能力が5~6台となっている。

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