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「資本の論理」だけの敵対的買収、減少の見方…東京機械の防衛策を最高裁が「正当」と判断

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 新聞輪転機メーカー「東京機械製作所」の買収防衛策を認める司法判断が確定し、専門家からは、企業の合併・買収(M&A)の在り方に影響を与えるとの声が出ている。買収後の経営計画を明確に示せるかどうかが、M&Aの成否を左右することになりそうだ。

東京機械製作所の本社が入居するビル
東京機械製作所の本社が入居するビル

 東京機械に敵対的買収を仕掛けた投資会社「アジア開発キャピタル」(東京)側が東京機械の防衛策の発動差し止めを求めた仮処分申請で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は18日、発動を認めた東京高裁の決定を「正当だ」と支持した。

 東京高裁は、アジア開発側が経営方針や事業計画のビジョンを明確に示さないまま、急速に株を買い集めた点について、少数株主に売り急ぎの圧力(強圧性)がかかったとの判断を示していた。

 大手証券幹部は、「買収が認められるには、きちんとした経営計画、成長戦略を立てる必要性が高まった。M&A市場の活性化、ひいては日本企業の成長につながるだろう」と指摘した。その上で、「資本の論理だけでは買収は進められなくなる。理由が明確ではない敵対的買収は今後、減るのではないか」と語った。

 株主総会で買収者の議決権を制限することを容認した点にも注目が集まる。

 買収者を除いた少数株主(マイノリティー)の過半数の支持を得られれば、議案が可決されることを意味する「マジョリティー・オブ・マイノリティー」(MoM)といわれる手法で、東京機械が10月22日に開いた臨時株主総会で採用された。今回の司法判断で敵対的買収に対する防衛手段が増えた形になる。

 しかし、司法が手放しでMoMを認めたわけではない。MoMが妥当かどうかは、株主総会の目的や買収者の持ち分、株主総会の議論の状況などを「総合して判断されるべきだ」との見解を示した。実際、東京機械の株主総会で防衛策への賛成率が8割近くに上ったことなどが考慮された。

 M&Aに詳しい柴田堅太郎弁護士は「決定は、MoMを活用できる場合の要素を詳しく書き、(安易に使える手法だという見解が)一人歩きしないようにしている」とみている。

司法判断後も続く対立

 司法判断が確定しても、アジア開発は買収の意向を捨てておらず、対立に決着がついたわけではない。アジア開発はいったん東京機械の求めに応じて、来年2月末までに株の保有比率を引き下げるものの、その後、株式公開買い付け(TOB)で経営権取得を目指す方針を表明した。東京機械は強く反発している。

 東京機械は19日、アジア開発にTOBを実施しないと誓約するか否かについて、22日までに回答を求める書簡を送ったと発表した。アジア開発は17日、来年2月末までに株の保有比率を現状の約40%から、32・72%まで下げるとの誓約書を東京機械に提出。これを受け、東京機械は19日に予定していた防衛策の発動を一時的に留保している。アジア開発側の回答次第で、防衛策が発動される可能性がある。

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2534590 0 経済 2021/11/20 05:00:00 2021/11/20 10:06:02 2021/11/20 10:06:02 東京機械製作所の本社が入居するビル。新聞を刷る輪転機のメーカーである同社に対し、投資会社「アジア開発キャピタル」敵対的買収を仕掛けた。東京機械製作所側は買収防衛策の発動を表明するとともに、その妥当性を投資会社を除く少数株主に株主総会で判断してもらおうとしている。東京都港区で。2021年9月25日朝刊「東京機械 買収劇に注目 対投資会社 有事の防衛策 是非焦点」掲載。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/11/20211120-OYT1I50030-T.jpg?type=thumbnail

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