CEO解任の山口FG吉村氏「実態はクーデター」…アイフルとの新銀行構想は「検討段階」

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 山口銀行などを傘下に置く山口フィナンシャルグループ(FG)の会長兼最高経営責任者(CEO)を解任された吉村猛取締役が29日、東京都内で読売新聞などの取材に応じた。CEOとしての権限逸脱を理由に解任を決めた取締役会の対応について「実態はクーデターだ」と述べ、中立的な第三者委員会による再調査を求めた。

自身の解任経緯について第三者委員会での再調査を求める山口FGの吉村猛・前CEO(右)(29日、東京都内で)=川口尚樹撮影
自身の解任経緯について第三者委員会での再調査を求める山口FGの吉村猛・前CEO(右)(29日、東京都内で)=川口尚樹撮影

 6月25日の株主総会直後の取締役会で解任が決まって以降、吉村氏が公の場で説明するのは初めて。

 吉村氏は、消費者金融大手アイフルとの共同出資による新銀行構想を取締役会で議論せずに独断で進めたとされる点について、「まだ交渉の検討段階で、CEOの権限の範囲内だ。独断専行には当たらない」と反論。個人ローンが主力の新銀行は、グループの稼ぐ力を上げるために必要な計画だったとの見解を示した。

 吉村氏はさらに、CEOの権限逸脱を認定した社内調査本部の調査報告書についても、解任に賛同した取締役が本部長を務めたため「結論ありきで中立性、公正性を欠いている」と批判。解任については「(現状のままで良いという)守旧派の社内取締役が主導したクーデターであり、問答無用の闇討ちだ」と述べた。

 山口FGが「総会後の取締役会で初めて解任を議論した」と公表したことについても、「一部の取締役が入念に準備しており、虚偽説明だ。株主を 愚弄ぐろう している」とした。

 山口FGが12月24日に開く臨時株主総会では、吉村氏を取締役から解任する議案が提案されており、過半数の株主の賛成で可決される。吉村氏は「株主に正しい情報を提供できていない」として、総会までの再調査を求めている。総会でも議案の否決を目指す考えだが、第三者委で改めて独断専行と結論づけられた場合は「責任を取りたい」として、辞任する意向も示した。

 ただ、第三者委の設置には取締役会の決議が必要なため、実現の見通しは立っていない。

  吉村氏の主な発言は次の通り。

 ――解任の受け止めは。

 「突然、定時株主総会をスルー(取締役に選任)した後に、取締役会で解任するのは、明らかに違うやり方。正当な手続きを踏んでいないクーデターと捉えている」

 「(吉村氏のCEO権限逸脱を認定した)社内調査はクーデターの首謀者が調査本部長を務め、公平性や客観性が欠ける。首謀者が自分の考えを述べたに過ぎない。(解任の)根拠として認めるわけにいかない」

 「権限逸脱とされた新銀行構想は、まだ交渉の検討段階にあり、執行権限の範囲内。検討が完了次第、取締役会で議論を行うことは当然。独断専行は全くない。システムや出資関係、ビジネスモデルなどについては、まだ様々な選択肢がある段階だった」

 ――新銀行構想を急いだ理由は。

 「法人向けの損益が崩れる中で、個人向けで利益が上がらない状況を続けるのは許されないと思っていた」

 「今、個人向けは(他の銀行でも)いろんな動きがある。ここは銀行として、一番急がないといけないところ。極めて重要な経営課題として考えていた」

 ――対立の原因は。

 「厳しい環境下で企業価値を向上させようと改革を進めてきた。改革には社内の保守派の反乱が想定された。改革について支援いただけると思い、社外取締役主体のガバナンス(企業統治)体制をつくり、思い切って改革路線に舵を切った」

 「改革をスピードアップできると考えていたが、残念ながらその思いは理解されず、逆に守旧派の社内取締役主導により、独断専行と断罪された」

 「改革の方向は、コンサルティングや農業、人材マッチングなど。銀行員として育った者の中には、私に対して、距離をとらないといけないと思ったメンバーがいた。私としては環境変化に対応する焦りであり、健全な危機感と思っていたが、伝わらなかった」

 ――一部の取締役が、クーデターの計画を入念に練っていたと主張している。

 「事前に私に改善の指摘はなく、(解任された臨時取締役会でも)意見聴取はされず、議論も経ずに多数決で決められた。問答無用の闇討ち解任だった。上場企業、かつ金融機関としてやってはいけないことだ」

 「株主を 愚弄ぐろう し、虚偽説明や印象操作といった不適切なガバナンスのオンパレードだ。(ほかの)取締役の監督能力の欠如と、ガバナンスの認識レベルが圧倒的に低い状況こそ、大きな問題がある」

 ――取締役からの解任議案が12月24日の臨時株主総会で審議される。

 「開催にあたり、山口FGの偏向的な社内調査でなく、第三者委員会の設置を求める。解任プロセスを再度、厳正に調査してもらい、株主に(情報を)提供してもらいたい。当然、その調査で私に経営者として資質欠如があると判断されれば、責任を取る覚悟がある」

 「第三者委の設置は、取締役会の決議事項。2度ほど設置の動議を出したが否決された。(今回の主張で)株主や当局、世論に理解いただいて、設置に向けて声が高まることが最大の願いだ」

 「(解任された場合の)先のことは白紙。今は解任プロセスに対して、一度立ち止まってみてもらわないと進めない。是が非でも、第三者委を開催する動きをとれないかと考えている」

 ――約半年続く騒動となったことへの反省は。

 「新銀行の動きについて、私の説明不足だったかもしれない。社外取締役には、突然こうした問題が出てきたという印象を与えた。意思疎通の悪さがあった。そこは反省すべきところ」

 「社内の意識改革にも努力してきたつもりだが、不足していたと思う。私の危機感が大きすぎたのか、改革の振れ幅が大きかった。振れ幅と同じ丁寧さが必要だった」

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2558081 0 経済 2021/11/29 22:49:00 2021/11/29 22:49:00 2021/11/29 22:49:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/11/20211129-OYT1I50127-T.jpg?type=thumbnail

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