「ジビエに新たな愛称」選定中止、応募550件が無駄に…「すでに浸透」と業界反発

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 野生鳥獣の肉「ジビエ」の消費拡大のため、農林水産省が一般から公募していたシカ肉とイノシシ肉の愛称の選定事業を途中で取りやめていたことがわかった。ジビエを扱う飲食店などから反対意見が相次いだためで、応募のあった約550件はすべて無駄となる。同省の担当者は「知恵を絞って応募してくれた人たちに申し訳ない」と陳謝している。

近年人気が高まっているイノシシ肉の鍋
近年人気が高まっているイノシシ肉の鍋

 農水省は、害獣として駆除されているシカとイノシシのジビエ利用を拡大するため、昨年11~12月、ネット上で愛称を募集した。愛称の例として高たんぱくで低脂質のシカ肉は「天然のプロテイン」、脂質やビタミンを多く含むイノシシ肉は「森のジューシーミート」などを示した。

 約6週間の募集期間中、全国から約550件の愛称が寄せられた。省内で絞り込もうとした段階で、「役所だけで盛り上がって良いのか」との意見が出され、急きょジビエを提供する飲食店や処理加工施設、流通業者らに意見を聞いた。すると「ジビエという言葉がようやく浸透してきたところで、ややこしくなる」「愛称をつけるのは勝手だけど、うちは使わない」と否定的な声が大半を占めた。愛称をつけても定着しなければ意味がないとして、選定事業を中止したという。

 同省の担当者は「愛称を一番使うであろう業界関係者に知らせずに募集を始めたのが間違いだった」と反省する。同省は「制度などに関連する事柄ではない」として事業中止を発表しておらず、応募者にも伝えていない。

 同省によると、2020年度に捕獲されたシカは約67万頭、イノシシは約68万頭で、このうち市場でジビエとして利用されたのはシカ約9万頭、イノシシ約3万頭にとどまる。農水省は25年度までにジビエ利用を19年度の2倍の4000トンに増やす目標を掲げている。

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2574308 0 経済 2021/12/06 15:00:00 2021/12/06 15:00:00 2021/12/06 15:00:00 近年人気が高まっているイノシシ肉の鍋(27日午後0時24分)=今泉遼撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/12/20211206-OYT1I50052-T.jpg?type=thumbnail

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