動画配信に押されるレンタルビデオ店、ジムや古着店に生まれ変わる…コロナで拍車

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 レンタルビデオ店が、フィットネスジムやシェアオフィスなど別の業態に姿を変える動きが相次いでいる。急速に普及が進む動画配信サービスに利用客を奪われているためで、コロナ禍で働き方や生活様式が変わってきたことも転換に拍車を掛けている。かつてはどこの駅前にも存在し、多くの映画を手軽な価格で観賞できるようにしたレンタルビデオ店は、時代の流れにあらがえず、姿を消しつつある。(東田陽介)

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 兵庫県西宮市の「TSUTAYA(ツタヤ)西宮薬師町店」の一角に11月、フィットネスジムがオープンした。店舗の4割にあたる約230平方メートルにスタジオを備え、トレーニングマシンが並ぶ。運動や美容に関連する500冊の本も常備し、トレーニングしながら自由に読むことができる。

 元々は書店とレンタルビデオ店が一体になっており、レンタル用のDVDやCDを並べていたスペースの大半をジムに改装した。会費は月額税込み7480円からで、入会を決めた市内の自営業女性(44)は「最近は動画配信サービスを使っており、レンタルの店に来ることはなかった。健康のためにも体を動かしたいと思っていたので、ジムになってうれしい」と話す。

 ツタヤなど約900店のレンタルビデオ店を運営する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」(東京)はレンタルビデオ店の業態転換を進めており、ジムは東京に続く2店舗目だ。

 シェアオフィスへの転換も進めており、首都圏や関西を中心に13か所開設している。今後3年程度で100か所に拡大する計画で、担当者は「レンタルの店舗は都心では駅に近い店舗が多い。コロナ禍で拡大しているシェアオフィスの需要を取り込みたい」と話す。

 ゲオホールディングス(HD)は、約1140店展開するレンタルビデオ店「ゲオ」を閉店する一方、衣料ブランドの在庫を買い集めて格安で売る「オフプライスストア」や古着店の出店を加速させている。今年4月~9月はゲオを44店閉店し、オフプライスストアと古着店を計52店オープンした。

 レンタルビデオ大手が業態転換する背景には、有料動画配信サービスの台頭がある。2020年のレンタル市場は1041億円と5年前からほぼ半減する一方、動画配信サービスは4倍超の3973億円に拡大した。米「Netflix(ネットフリックス)」や「Amazonプライム・ビデオ」が利用者を増やしている。

 映像メディア総合研究所の四方田浩一代表は「動画配信サービスは豊富な作品がいつでも楽しめるため、利便性が圧倒的に高い。レンタル店は映画を身近にする大きな役割を果たしたが、この2、3年で実店舗はほぼ姿を消し、自宅にDVDを届ける宅配レンタルに完全に切り替わるのではないか」と分析している。

 レンタルビデオ店は1970年代に米国で生まれたとされ、日本では、83年に大阪府枚方市で創業した「蔦屋書店(現CCC)」が本格的にチェーン展開を始めた。当時、国内にはビデオ制作会社がなく、米国から輸入した洋画やドラマをそのまま貸し出していたという。

 その後、ゲオHDや三洋堂HDなど他のチェーンも誕生。旧作を7泊8日100円程度で貸し出すなどサービスを充実させ、店舗網を広げた。日本映像ソフト協会によると、協会に加盟する全国のレンタル店は、ピークの1990年末に1万3529店に達した。

 だが、動画配信サービスに押されて地方の中小チェーンを中心に閉店が相次ぎ、2020年末時点では2776店にとどまる。CCCの担当者は「意外な作品と出会えるのが実店舗の良さ。シニアを中心に根強いファンも多く、ニーズがある限り店舗も続けたい」と話す。

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