トルコの惨状、人々の生活は「もう限界」…通貨安におびえる新興国

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 米連邦準備制度理事会(FRB)が、金融引き締めの方向にまた一歩踏み込んだ。米利上げが近づけばドルの価値が高まり、新興国通貨の下落圧力は増す。米利上げに誘発される自国通貨安とインフレの進行に新興国はおびえている。(バンコク 山村英隆)

◆市場を注視

 16日のアジアの外国為替市場。タイ・バーツは1ドル=33バーツ台半ばで取引され、前日から大きな変動はなかった。バンコクに駐在する三井住友銀行アジア・大洋州トレジャリー部の宮野素子氏は、「今回の連邦公開市場委員会(FOMC)の決定はすでに市場で織り込まれていた。しばらくは緩やかなバーツ安ドル高傾向が続くだろう」と話した。

 新興国は当面、自国通貨の値動きを注視せざるを得ない。米金融政策の転換の影響で自国通貨の価値が下がれば、インフレが進みかねないからだ。

◆トルコの惨状

 今のトルコの「惨状」が、自国通貨安のリスクをあらわにしている。

 「キッチンペーパーが2か月余りで約2倍の価格になった。トルコの人々の生活はもう限界に近いところまで来ている」

少しでも節約しようと、安いパンを買うために行列を作る人々(トルコ・イスタンブールで)=ロイター
少しでも節約しようと、安いパンを買うために行列を作る人々(トルコ・イスタンブールで)=ロイター

 トルコ・イスタンブールで働く邦人駐在員は同情の声を発した。ここ数か月で急激に物価高が進み、11月の消費者物価指数は前年同月比21・31%の上昇率を記録した。

 インフレの元凶はトルコの通貨リラの暴落だ。今年1月、1ドル=7リラ台だった。それが今では1ドル=15リラ台に下落している。ドルに対しリラの価値は、ほぼ半減した。

 原油を筆頭に国際的な商品はドル建てでの取引が多い。対ドルでリラが下落すると、これまでより多くリラを払って買わなければならない。輸入品は高くなり、インフレが加速する。

 トルコの場合、金融政策の混乱が火に油を注いでいる。インフレを抑えるには、中央銀行による利上げが定石だ。しかし、景気重視のエルドアン大統領の強い要求に従い、トルコ中央銀行は今秋、利下げを断行。金融政策の常識を覆す決定に、世界の金融関係者は驚いた。当然、インフレは収まるどころか、逆に加速し、リラの下落に拍車を掛けた。トルコ中銀は、16日にもさらに利下げした。

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2603725 0 経済 2021/12/17 05:00:00 2021/12/17 09:11:52 2021/12/17 09:11:52 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/12/20211217-OYT1I50002-T.jpg?type=thumbnail

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