震災後に小豆島が伝えてくれたオリーブ栽培、7年で一級品に到達

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 東日本大震災後に宮城県石巻市で栽培されているオリーブから、高品質のオリーブオイルが商品化された。津波で壊滅した沿岸地域は、日本一の生産地・香川県小豆島の栽培技術を受け継ぎ、オリーブ産地として再出発する。(後藤陵平)

オリーブの収穫作業の様子(昨年10月27日、石巻市で)
オリーブの収穫作業の様子(昨年10月27日、石巻市で)

 石巻市のオリーブオイルは透明な緑色。新鮮な証しだ。口に含むと、軽やかな舌触りで、油のベタつきはない。青っぽい香りが鼻に抜けると、喉でわずかな辛みを感じ、甘みが引き立つ。

販売されているオリーブオイル
販売されているオリーブオイル

 オリーブ栽培は震災の3年後、2014年に始まった。市は、北上地区など津波被害の大きかった土地の活用方法を模索していた。低い平地は災害危険区域に指定されて住むことができず、土壌に含まれる塩分は、農地としての利用を阻んだ。そこで市は、塩害に強く、健康食品として人気の高いオリーブに注目した。復興庁を通じて、小豆島で農園を営む荒井信雅さん(62)に、指導を受けた。

 市は雄勝、牡鹿地区でオリーブの木30本を植えたのを手始めに、本数を増やした。荒井さんは社員1人を石巻に駐在させ、自らも毎月のように香川から足を運んだ。「 炭疽たんそ 病」や獣害に見舞われながらも、市職員や地域住民と一緒に取り組んできた。

 市は19年、北上地区に大型の搾油機を備えた加工場を整備。今では6か所の畑で計1665本を栽培、21年は約700キロのオリーブを収穫した。

 ただ、最高級のオイルを作るためには、収穫した実全てを使えるわけではない。熟した実は選別作業で取り除き、残るのは青緑色の400キロほど。極めて油分は少ないが、ポリフェノールの多い良質な油が抽出され、世界基準を満たすエキストラバージンオリーブオイルができあがるという。荒井さんも「世界一に匹敵する高品質に仕上がった」と太鼓判を押す。

 昨年12月からホームページ(https://minoresta.stores.jp/)で販売を始めた。小瓶(35ミリ・リットル)が2700円、中瓶(100ミリ・リットル)が5400円(いずれも税込み)。今後は手頃な価格の商品開発も検討する。

 オリーブの生産を担う農事組合法人「みのり」代表理事の千葉昭悦さん(72)は、「オイルは、石巻の海産物と相性が抜群。津波被害を受けた沿岸部一面がオリーブ畑になるまで、石巻の特産品に育ってほしい」と期待を込めた。

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2669586 0 経済 2022/01/12 21:46:00 2022/01/12 21:46:00 2022/01/12 21:46:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220111-OYT1I50021-T.jpg?type=thumbnail

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