CO2ゼロの次世代コンクリ、全電力が再生エネルギー…ゼネコン「脱炭素」競う

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 大手ゼネコンが、脱炭素化の取り組みに本腰を入れている。製造過程で二酸化炭素(CO2)排出が実質ゼロとなる次世代コンクリートの開発や、省エネ性能を高めた工場の設計などだ。背景には、建築物の発注者である不動産業界などから脱炭素化の要求が厳しくなっていることがある。

最適化

 鹿島建設、竹中工務店、化学メーカーのデンカの3社は、共同で次世代コンクリートの開発を急いでいる。建材用のコンクリートは、原料となるセメントなどを焼いてつくる。製造過程では多くのCO2が発生する。3社は、鹿島やデンカなどが開発したCO2の吸収技術を生かし、製造時のCO2排出量よりも吸収量が多いコンクリートを実用化したい考えだ。

 大成建設は省エネ性能を高めた工場の設計に力を入れる。顧客企業が工場を新設する際、機械の導入台数を聞き取り、機械が発する熱で室温がどう変化するかを計算して、無駄のない空調につなげる。工場の人員配置や人やモノの動きを把握し、照明利用も最適化する。空調や照明の管理は人工知能(AI)に担わせ、使用する電力は再生可能エネルギーで賄う。

 第1号案件として、2022年度中の完成を目指す沖電気工業の埼玉県内の新工場にこうしたシステムを導入する。大成は「徹底した省エネ機能を持つ次世代工場は大きな需要が見込める」(開発担当者)とみる。

太陽光

 東急建設は昨年、建設現場で使用する電力を30年までに全て再生可能エネルギーに切り替える目標を発表した。国内のゼネコンでは初めての取り組みだ。

 大成建設は、ビルの外壁や窓への太陽光パネルの設置を請け負う事業を始めた。これまでも、顧客の求めに応じてビルや工場の屋上に太陽光パネルを設置してきたが、設置可能スペースが少なくなる中、新たな需要を見込む。

消費者の関心

 建設業界は、全体でみればCO2排出量は決して多くはない。国立環境研究所によると、日本国内の19年度のCO2排出量のうち、建設業界が占める割合は0・5%だった。

 取り組み強化の背景には、消費者の脱炭素への関心の高まりを踏まえた不動産業界などの動きがある。三井不動産は23年度以降、ゼネコンに、ビルなどの建設時のCO2削減計画を明記した書類を提出してもらう方針だ。木材など建設時のCO2排出が少ない材料の使用を促す狙いもある。

 住友不動産もマンションの建設時に、現地事務所などで使う電力を再生エネにするよう求めている。今後もこうした動きは広がる見通しで、ゼネコンからは「脱炭素化を強力に進めなければ、将来の受注減につながりかねない」(大手幹部)との声も上がっている。

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2700014 0 経済 2022/01/24 15:25:00 2022/01/24 15:25:00 2022/01/24 15:25:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220124-OYT1I50046-T.jpg?type=thumbnail

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