少子化・油まみれの労働環境敬遠、自動車整備士不足が深刻…有効求人倍率は4・58倍

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 車検を担う自動車整備士の不足が深刻になっている。厚生労働省が1日発表した2021年の整備士の有効求人倍率は4・58倍と、全職種平均(1・13倍)を大きく上回る状況が続いている。人手不足を背景に不正車検が後を絶たず、政府も対策に乗り出している。

 「自動車整備業の人材確保と生産性向上は喫緊の課題だ。しっかり取り組む」。斉藤国土交通相は1日、閣議後記者会見で強い危機感を表明した。1月13日には、岸田首相と東京都内の自動車整備施設を視察し、整備士らと車座で意見交換を行った。

 政府が整備士不足を問題視するのは、相次ぐ不正車検の大きな要因となっているためだ。昨年3月、トヨタ自動車系列の愛知県の販売店で、必要な検査を行わない不正が発覚。トヨタの内部調査の結果、不正車検があったのは15社16店で計6659台に上った。トヨタ側は「人手が足りず(整備士が)車検以外の業務もやらねばならなかった」と、現場の負担が過重になっているのが一因だと説明した。

 自動車大手系列の販売店だけではなく、昨年6月には千葉県の、同12月には山梨県の、それぞれ地元の整備業者による不正が発覚した。

 日本自動車整備振興会連合会によると、自動車整備士試験(学科)の20年度の申請者数は3万6630人と、04年度(約7万2600人)に比べ半減した。少子化に加え、自動車に関心を持つ若者が減っており、油にまみれるような厳しい労働環境も敬遠され、IT業界などに若者が流れているとの見方が強い。同連合会によると、自動車整備要員の21年度の年間平均給与は398万7000円で、他業界に比べ低い待遇を指摘する声もある。

 国土交通省は人材確保に向け、関連する16の業界団体とともに、全国の高校を訪問して整備士の仕事についてのPR活動を行っている。

 ITを活用し、車検の現場の負担軽減も進める方針だ。自動で故障や異常を検知するセンサーを車に内蔵させ、安全性を低下させることなく検査項目を減らす方向で議論を進めている。23年1月には車検証を電子化し、手続きを効率化する。

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