メモ入力
-最大400文字まで
完了しました
公正取引委員会は8日、国や自治体が発注する情報システムに関する調査報告書を公表した。既存のIT業者がデータ引き継ぎを拒否するなど、新規業者の参入を妨害する契約の「囲い込み」が、独占禁止法に抵触する恐れがあると指摘した。

行政システムでは、特定業者が受注を繰り返すことが問題になっている。会計検査院によると、2018年度に各省庁が発注した情報システムのうち、入札参加者が1業者の「1者応札」は74%あった。システムを含む政府発注全体の30%を大きく上回っている。
公取委が、各省庁や地方自治体など、全国約1800の行政機関に行った調査では、「特定の会社だけが対応できる仕様を提案された」「データの移行費用に5000万円を要求された」といったIT業者の対応を疑問視する声が寄せられた。
公取委は、業者がほかの会社にシステムの仕様の開示を拒むことや、高額なデータ移行費を請求することは、独禁法の「取引妨害」に該当する可能性があると指摘。システムとセットでサーバーを購入させる行為や、業者間の受注調整も独禁法違反にあたる場合があるとの見解を示した。
報告書では、新規業者が参入しやすいよう、行政側がソフトウェアの設計図にあたる「ソースコード」の公開を検討するよう求めている。