地下水の飲料水化「課税」へ…ミネラルウォーター業界の反発必至

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 地下水を対象にした法定外税について議論してきた山梨県地方税制等検討会(会長・渋谷雅弘中央大教授)は、「営利目的で採水した地下水を飲料として製品化し、移出する行為への課税」を基本とする報告書をまとめる方針を固めた。ミネラルウォーター業界などからの反発は必至で、ある県幹部は「県として導入するかどうかの判断は難しく、相当な時間を要する」と話している。

 検討会は、県議会が2019年3月に可決した「地下水の利用への課税を検討すべきだ」とする提言を受け、県が同年8月に設置した。税制や自治体財政の専門家らで構成されている。これまでの会合では、法定外普通税の導入を軸に、〈1〉営利目的での地下水の採水への課税〈2〉営利目的で採水した地下水を飲料として製品化し、県内外に移出する行為への課税――の2案について話し合われてきた。

 その結果、「採水行為のみでは課税の理屈が成り立たない」「(製品化して)貨幣価値に換算された時点で課税する発想がよい」など、〈2〉案を支持する委員が多かった。

 28日には最終回となる9回目の会合を開催。関係者によると、これまでの議論の流れを受け継ぎ、〈2〉案を踏まえて報告書をまとめることが確認されたという。

 日本ミネラルウォーター協会によると、20年の県内生産量は155万キロ・リットルで、全国1位。慢性的な財源不足に悩む県では約20年間にわたり、地下水を対象にした法定外税の導入を巡る議論が続いてきた。

 05年には、県庁内の研究会が「ミネラルウォーターに関する税を設けることが望ましい」とする報告書を当時の山本栄彦知事に提出。県は専門家による検討会を設置し、課税対象をミネラルウォーター製造業者に限定した法定外目的税としての導入を目指した。しかし、業界側の反発を受け、07年に当時の横内正明知事が断念した。

 現在の検討会でも、全国清涼飲料連合会と日本ミネラルウォーター協会は「私水への課税は根拠に欠ける」「飲用目的の採取行為にのみ課税するのは公平性に欠く」など、導入に反対する意見を表明している。

 長崎知事は今年2月、報道各社の取材に対し、「増税は、予算の効率化や収益を上げる努力があって初めて県民に理解される。山梨はまだ努力の余地がある」と述べ、導入に慎重な姿勢を示している。

 ◆ 法定外税 =自治体が条例を制定し、総務相の同意を得て独自に徴収する税。法定外普通税と使途を限定した法定外目的税がある。総務省によると、今年1月現在、34都道府県と20市区町村で計65件施行されている。2000年施行の地方分権一括法により全国で導入が進んだが、ミネラルウォーターに課税する例はない。

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2874758 0 経済 2022/03/29 08:14:00 2022/03/29 11:33:21 2022/03/29 11:33:21 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/03/20220328-OYT1I50112-T.jpg?type=thumbnail

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