JR西、山口県の5路線6区間で赤字…売店の女性「利用するのは高校生くらい」

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長門市駅で少ない乗客を待つ車両
長門市駅で少ない乗客を待つ車両

 JR西日本が公表した利用者が少ない在来線の区間別収支で、山口県内対象の山陰、岩徳、山口、小野田、美祢の5路線6区間はすべて赤字だった。最大は山陰線益田―長門市駅間の11億5000万円。沿線の自治体や住民からは、厳しい実態を受け止めながらも、路線の維持を望む声が上がった。(後藤敬人、木崎俊勝)

 乗り入れる美祢線や山陰線の区間が赤字だと公表された長門市の長門市駅。12日午後、待合所では数人の客が手持ちぶさたそうにベンチに座っていた。

 同市内のパート従業員女性(67)は、週4、5回、片道3駅分を列車で通勤しているという。仕事終わりは列車が少ない時間帯で、2時間近く待たなければならないため、帰りはバスだ。「バスの運賃は列車の2倍近く。列車がなくなれば、交通費がかさんでしまう」と存続を希望する。

 長門市駅の売店で長年働いている女性は「昔は鮮魚の商いで利用する人らでにぎわったが、今では高校生くらい。このままでは鉄道の利用はじり貧だ」と嘆いた。

 JR西日本は11日、鉄道の利用状況を示す1日の平均通過人員(輸送密度)が2000人未満の区間を公表。県内の5路線6区間が対象となった。これらの路線では、100円の収入を得るために、394~1314円の経費をかけている計算だ。同社は「利用しやすい最適な地域交通体系を、幅広く議論・検討し、地域と共に実現したい」とのコメントを出した。

 一方、沿線自治体や関係団体は、これまでも利用者増に知恵を絞ってきた。

 美祢線沿線にある美祢市や長門市、山陽小野田市、経済団体などでつくる「JR美祢線利用促進協議会」は、2010年の発足以降、定期券や回数券の購入に補助金を支給したり、イベント列車を運行したりして利用促進を図ってきた。しかし、過疎・少子化の影響もあり、利用増に目立った効果は出ていない状況という。

 同協議会の担当者は「公表されたデータは 真摯しんし に受け止めないといけないが、手をこまねいていてもいけない。住民に利用を考えてもらうきっかけにしたい」と話す。

 小野田線が走る山陽小野田市も、自治会などと利用促進協議会をつくり、同線の利用を呼びかけている。

 村岡知事はJR西日本の発表を受けて、「数字で存廃を判断することなく、ローカル線を維持してほしい。利用促進にも取り組む」との談話を発表した。

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