ジョン・ウー監督「電車を逆走させて」…驚くべき要求を受け入れた近鉄、粘り強く調整重ねた元社員

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 「安全」や「定時運行」を重んじる鉄道業界では、駅や車両を使用したロケには慎重にならざるをえない。それでも「PRの機会になる」として、かつてと比べて受け入れが進むようになり、今では各社にロケを支援する部署があるほどだ。

近鉄の観光特急「しまかぜ」。制作陣の要望に応じて、一般車両から特急まで幅広く提案する=同社提供
近鉄の観光特急「しまかぜ」。制作陣の要望に応じて、一般車両から特急まで幅広く提案する=同社提供

 近畿日本鉄道(近鉄)でそうした風潮を作ったのが、長く同社広報部に勤務し、昨年8月に退職した福原稔浩さん(65)。「余計なことをするな」と社内で煙たがられながらも、「近鉄の名を全国に広められる」と幹部らを粘り強く説得し、2011年にロケ支援を事業化。駅や車両を使用する際のルール作りなどを進め、多くの撮影を成功させた。

映画「マンハント」のロケ支援にあたる福原さん。現場は緊張感にあふれていたという(2016年8月撮影、本人提供)
映画「マンハント」のロケ支援にあたる福原さん。現場は緊張感にあふれていたという(2016年8月撮影、本人提供)

 有名なエピソードがある。俳優福山雅治さんらが出演したアクション大作「マンハント」のロケが、16年に大阪上本町駅(大阪市天王寺区)で行われた際、「レッドクリフ」で知られるジョン・ウー監督から驚くべき要望を受けた。「迫力を持たせるため、電車を逆走させてほしい」。鉄道マンなら誰しも目を丸くするようなリクエストだったが、福原さんは引き受けた。運転士だった頃の経験を生かして安全対策を万全にし、関係部署との調整を重ねて実現させたという。

 福原さんの退職後も、同社は積極的にロケ支援を進めており、年間約10作品のサポートにあたっている。「ロケに協力した現場の職員から『作品に貢献できてよかった』との声を聞くと、ルール作りを進めてよかったと思う。自分たちの職場が映画やドラマに登場するのは、数字では表せられない財産になる」と胸を張る。(行田航)

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2939982 0 経済 2022/04/21 14:20:00 2022/04/21 15:50:33 2022/04/21 15:50:33 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220421-OYT1I50081-T.jpg?type=thumbnail

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