小麦値上げの救世主?…「米粉」に注目、食卓に定着するか

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 [New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「米粉」。

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 お米を細かく砕いて粉状にした「 米粉こめこ 」が注目を集めている。輸入小麦が記録的な値上がりとなる中、国産で価格が安定しているからだ。米粉を使った商品は、日本の食卓に定着するのだろうか。

量と価格安定 国産の付加価値

 「ゴォーッ」という大きな音が響き、思わず耳をふさぐ。天井から延びる配管を下ってきたコメが、製粉機の中で粉々に砕かれていく音だ。出来上がった米粉は袋詰めされ、大型トラックで次々と食品メーカーに出荷されていった。

 「みたけ食品工業」の鴻巣工場(埼玉県鴻巣市)では、埼玉県産米「彩のかがやき」といった国産米を原料として米粉を生産している。米粉を用いたパンケーキミックスやからあげ粉、天ぷら粉といった商品も販売している。

 同社企画統括室の鈴木里沙子室長(40)によると、大きな変化を感じたのは3月だった。

 「小麦に代わるもので商品を作りたい」「米粉の商品を提案してほしい」――。ロシアのウクライナ侵攻で、輸入小麦が値上がりする可能性が高まっていた。代わりの食材として米粉に目をつけた食品会社やスーパーから問い合わせが急増したという。

 米粉を用いると、パンはもっちりと、揚げ物はカリッ、サクッとした食感になるのが特徴。鈴木さんは「米粉は量も価格も安定しているし、『国産』という付加価値もある。輸入小麦の値上がりはチャンスと捉えている」と語る。

奈良時代から

 米粉は、古くは奈良時代から食材として使われ、団子やようかん、煎餅の原料となってきた。近年は製粉技術の進歩で微細な米粉ができるようになり、用途が広がっている。

 日本ハムが3月に発売した「みんなの食卓 ナポリタン」は米粉麺を使ったパスタだ。湖池屋も3月、スナック菓子「おこめ心地」をリニューアルして発売した。敷島製パンの「国産小麦と米粉のロール」のように、小麦とのブレンドによってもっちりとした食感に仕上げたパンもある。

 こうした食品はもともと、小麦粉を主原料としてきた。しかし、北米産の不作を主な要因に、小麦相場はウクライナ侵攻の以前から高騰しており、政府が製粉業者などに売り渡す輸入小麦の価格は昨年10月に19.0%、今年4月に17.3%も上がった。価格は比較可能な2007年以降では、2番目の高水準。多くの食品メーカーは商品の値上げに踏み切らざるを得なくなり、相対的に割安になる米粉商品への関心が高まっている。

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3011063 0 経済 2022/05/19 05:00:00 2022/05/19 09:47:32 2022/05/19 09:47:32 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220518-OYT1I50171-T.jpg?type=thumbnail

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