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コロナ下で女性を中心に高まったゴルフ人気に狙いを定め、用品売り場の拡大や女性向けサービスの充実が進んでいる。行動制限が緩和され、これまでの外出自粛による運動不足の解消や「密」にならない交流の場としてゴルフが注目を集める。女子プロ人気が追い風となり、ゴルフ場会員権を購入する若年層も増えてきた。

コロナ対策のまん延防止等重点措置が解除された3月、伊勢丹新宿店(東京都新宿区)はゴルフ売り場の面積を1・3倍に拡大した。水色やピンクなど色鮮やかなウェアとクラブが店内に並ぶ。試打室やクラブを自分用にアレンジできる工房も備える。取り扱うクラブ4000本のうち、女性向けが4分の1を占める。

以前は仕事の接待などでプレーする男性客が多くを占めていた。コロナが流行すると、飲み会が減る一方、「ゴルフ女子」としておしゃれなウェアを着た姿がSNSで投稿されるようになった。同店の担当者は「新たな交流の場として関心を持つ20~30歳代の女性客が増えている」と話す。高島屋新宿店(東京都渋谷区)も今春、女性の集客を念頭にゴルフ売り場を刷新した。
女性向けサービスの利用者も増えている。室内型練習場「PGMゴルフアカデミー銀座」は2~3月、初心者の女性を対象にした期間限定のレッスンを行った。2018年のオープン当初、女性客の割合は2割程度だったが、最近は4割程度を占める。今後、女性向け物販を拡充する方針だ。
スポーツコンサルタント「トリプルダブル」は21年5月、女性限定のゴルフクラブのサブスクリプション(定額制)サービスを始めた。総額約30万円のクラブセットが月額税込み3058円で利用できる。提携する練習場で借り、使い終わったらそのまま返すだけという手軽さが人気だ。
経済産業省の特定サービス産業動態統計によると、22年3月のゴルフ場の売上高は前年同月比7・8%増の約70億円。ゴルフ用品や関連サービスは市場拡大が期待されている。ゴルフ会員権仲介大手の桜ゴルフによると、会員権購入者の年代別比率は60代以上が低下する一方、21年の30代以下の割合は3・6%と5年前の3・6倍に増えた。