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北海道上士幌町で1日、小型無人機「ドローン」を活用して和牛の冷凍保存していない新鮮な受精卵を配送する実証実験が行われた。同町と連携し、ドローンで配送を行った「ネクストデリバリー」(山梨県)は、「牛の受精卵のドローン配送は世界初」としている。

和牛の受精卵を乳牛に移植した代理出産は国内各地で行われている。通常、受精卵は乳牛のもとへトラックで陸送されているが、今回はドローンで運んだ。

実験では、町内にあるJA全農の施設で、1日朝に採卵された和牛の新鮮な受精卵の入ったポットが箱詰めされ、ドローンに装着された。離陸したドローンは高さ約70メートルまで上昇し、約7・1キロ離れた同町更進地区の熊谷牧場(熊谷肇さん経営)に約13分間で届けられ、直ちに乳牛に移植された。出産は来年5月になる見通し。
ネクストデリバリー社の田路圭輔代表取締役は「空中を飛ぶドローンによる配送は、トラック輸送より短時間で済み、振動も少ない。将来的には、量産効果などで配送コストも確実に安くなっていく」と語った。
実験に協力したJA上士幌町の小椋茂敏組合長は「配送時間が短いほど、振動が少ないほど、受胎率は向上する」と指摘。ドローンによる受精卵配送への期待を表明した。実験は今後、季節ごとに行われ、生まれた和牛の肉質もチェックし、実用化への課題を探っていくという。