完了しました
KDDIは4日午後4時頃、2日未明から60時間以上続いていた携帯電話の通信障害について、音声通話とデータ通信ともに「全国的にほぼ回復」したと発表した。最大3915万回線に影響し、携帯大手の障害では過去最大級となる可能性がある。総務省はKDDIに対する行政指導を検討する。

KDDIの吉村和幸・技術統括本部長は4日夜にオンラインで開いた記者会見で、完全復旧の時期について、「めどとしては5日の夕刻」との見方を示した。通信網が障害前の状況に戻ったことを確認した上で発表する見通しだ。
今回の障害は2日午前1時35分頃に発生し、携帯電話の音声通話やデータ通信がつながりにくい状況となった。3日夕までに復旧作業を終えたが、通信網への負荷が十分に軽減されなかったため、通信量の制限を続けた。制限は4日午後2時50分頃に解除された。
影響が出た最大3915万回線のうち、「au」や「UQモバイル」などのKDDIの携帯サービスを利用する個人と法人は最大3580万回線となる。KDDIが提供している約6200万回線の約6割に相当する規模だ。
通信業界を所管する総務省は、今回の障害が電気通信事業法などで定めた「重大な事故」に当たるとの認識を示している。総務省は今後、行政指導などを検討する。
影響はKDDIの回線を利用している企業にも広がった。
JR貨物では、貨物駅内の荷物の場所を知らせる社内システムで影響を受けた。積み込み作業に支障が出たため、貨物列車の運行に遅れが生じた。
宅配大手ヤマトホールディングスでは一時、荷物の配送状況を確認するシステムで、最新の情報が更新されない不具合が発生。4日も一部地域でドライバーへの電話がつながらないなどの影響が出た。同社は、通信障害の影響に伴い電話がつながりにくくなっていた状況について、午後8時時点で、ほぼ改善したとホームページ上に掲載した。