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2日未明に発生した大規模な通信障害は4日夕、KDDIがほぼ回復したと発表した。混乱の収束までに要した期間は2日半余り。この間、児童の安否確認や新型コロナウイルス患者の健康観察にも支障が出ていた。災害対応に影響が出かねない事態も生じており、利用者らからは改めて批判の声が上がった。
台風迫る中

「大きな災害があったら大混乱になっていただろう。通信インフラは常に安定的に確保されることが非常に重要だ」。宮城県の村井嘉浩知事は4日の定例記者会見で、そう指摘した。
実際、通信障害の影響で気象庁の一部の観測所では、得られたデータを配信できない状況になった。5日には台風4号が九州に上陸し、6日にかけて西日本から東日本を横断すると予想されている。今回と同じ事態が起きれば、住民の安全に影響を及ぼす恐れがある。
データは気象庁が大雨警報などを発表する際の判断材料になっており、自治体は警報などを目安に避難情報を出しているためだ。気象庁の担当者は「通信障害の規模やタイミングによっては、国民の命を守るための情報を出せない事態になりかねない」と話す。
自宅療養者の安否わからず
東京都品川区では、区立小などに通う児童(約1万7500人)に貸し出している防犯ブザー付き携帯電話で、児童の安否が確認できない事態が起きた。

区によると、携帯電話はKDDIの通信を利用しており、児童がブザーを鳴らすと、区側が電話をかけて安否を確認する仕組み。4日朝、児童側から約70件の通報があったが、電話をかけてもつながらなかった。区は小学校に連絡し、異常がないことを確認した。