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【北京=山下福太郎】経営危機に陥っている不動産大手・中国恒大集団は4日、広東省広州市で進めていたサッカー専用の巨大競技場の建設事業から撤退すると発表した。予定地の土地使用権を市に返還することに伴い、55億元(約1100億円)が返金され、負債の返済に充てるとみられる。

香港証券取引所に提出された開示資料などによると、競技場の客席は8万席超で、予定地の面積は約50万平方メートル。2022年末に完成する見通しだったが、恒大の経営悪化に伴って工事は一時中断していた。恒大の撤退後は、別の企業などが競技場の建設事業を引き継ぐ可能性がある。

当初、競技場は恒大傘下のプロサッカーチーム「広州FC」(旧・広州恒大)が拠点とする予定だったとみられる。だが、ロイター通信は昨年秋、チームも売却の検討対象に入っていると報じていた。
恒大は2兆元(約40兆円)規模の負債を抱え、7月下旬には香港本部のビルを1000億円超で売却する方針も明らかになった。再建を巡って経営が混乱し、夏海鈞・最高経営責任者(CEO)が財務の不正を理由に事実上解任された。