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    西日本豪雨 被災者の救援と復旧を急げ

     広い地域で同時多発的に起きた災害である。政府と自治体は、被災状況の把握と生活基盤の復旧を急がねばならない。

     記録的な豪雨が西日本の各地を襲った。河川の氾濫が相次ぎ、土砂崩れが起きた。

     泥水や土砂が、家々をのみ込んだ。死者は、既に100人を超えた。行方不明者も多い。

     気象庁は今回、各地に大雨特別警報を出し、最大級の警戒を呼びかけていた。自治体も避難勧告・指示を出した。対象者数は一時、800万人を超えた。それでも、予想を上回る速度で事態は悪化し、被害が拡大した。

     どこまで広範囲に被災しているのか。全貌ぜんぼういまだに分からない。川に流された住民がいる。土砂で壊れた住宅に閉じこめられた人も少なくないだろう。

     岡山県倉敷市真備町では、河川の堤防が決壊し、大規模な浸水に見舞われた。屋根まで上って助けを待った住民も多い。

     伊東香織市長は、「水没した建物に、どれくらいの人が取り残されているか把握できていない」と述べた。豪雨の猛威を物語る。

     捜索は難航している。政府、自治体は全力を挙げて救助・救援に当たってもらいたい。

     橋が崩れ、道路が寸断された。水道やガス、電気などのインフラも途絶えた。雨が上がり、猛暑に見舞われている地域もある。

     衛生環境の悪化が心配だ。被災者や救援活動に携わる人たちの熱中症にも警戒が怠れない。

     政府は、迅速な救援活動を支援する災害救助法と、自宅の再建を助ける被災者生活再建支援法の適用を決めた。被災者が安心できる環境の整備が大切だ。

     飲料水や食料、おむつなどの生活必需品も、十分に届けねばならない。業務に追われる被災自治体に、これ以上の負担をかけないよう、配慮が不可欠である。

     被災地から要望がなくても、必要と考えられる物資を政府が速やかに届ける。2016年の熊本地震から採用した「プッシュ型」支援を円滑に進めるべきだ。

     広島県は概して地盤がもろく、過去にも大雨で斜面が崩れている。今回も土砂崩れが起きた。教訓はどこまで生かされたのか。災害対策は常に見直しが求められる。

     これから、本格的な台風シーズンを迎える。一人ひとりが、住んでいる場所の水害ハザードマップを基に、危険度を把握する。その上で、空振りでも、余裕を持って避難する。我が身を守る行動を改めて確認したい。

    2018年07月10日 06時07分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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