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    子供の家庭環境 学力向上へ生活習慣の改善を

     日頃から規則正しい生活を促し、子供が学習に取り組みやすい環境を整えることが大切だ。

     親の年収や学歴が子供の学力にどのような影響を及ぼすのか。文部科学省が調査結果を公表した。

     小学6年、中学3年を対象にした昨年度の全国学力テストと、併せて行った保護者12万人のアンケートを研究者らが分析した。

     国語、算数・数学の平均正答率は、親の年収が多いほど高かった。2013年の前回調査と同様の傾向にある。家庭の経済状況が学力に影響していることの表れだ。

     小学6年の算数の応用力を測る問題で、家庭の年収が1500万円以上の児童の平均正答率は59%だった。200万円未満の家庭の児童は36%にとどまった。

     親が高学歴の場合も、子供の正答率は概ね高い傾向にあった。

     家計に余裕があれば、塾などに費用をかけやすい。子供が幼少の頃から、進学に対する親の期待が高いこともあるのだろう。

     一方で、親の年収や学歴が高くなくても、規則正しい生活習慣のある子供の成績は、概して良好な点にも注目したい。

     「決まった時刻に起きるようにしている」「毎日朝食を食べさせている」「計画的に勉強するよう促している」。保護者アンケートで、これらの項目に当てはまる家庭の子供たちだ。

     活字に接する習慣があるほど、学力が高い傾向も鮮明になった。好成績の子供の親は、「小さい頃、絵本の読み聞かせをした」「本や新聞を読むように勧めている」などと回答する割合が高かった。

     新聞記事などの内容について、親子で話せば、社会への関心がより高まるだろう。

     学校の役割も大きい。今回の調査では、家庭の経済状況にかかわらず、全体的に子供の学力が高い小中学校の特徴を分析した。教師が家庭学習をきめ細かく支援し、放課後の個別指導も手厚く行っているという共通点があった。

     毎日、宿題のノートに教師が助言を書き入れて返すなど、地道な取り組みが重要である。生活指導に力を入れ、親や地域と信頼関係を築く努力も欠かせない。

     教師が忙しすぎるとの指摘がある中、必要に応じて教職員を重点配置するなど、柔軟な対応が求められる。自治体やNPO(非営利組織)による放課後の学習支援活動も拡充したい。

     家庭環境に目配りし、丁寧な指導で学力の底上げを図る。それが公教育の責務である。

    2018年07月12日 06時02分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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