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    日豪2プラス2 地域の安定へ安保協力継続を

     日本とオーストラリアが積み重ねてきた安全保障協力を、アジアの安定に着実につなげたい。

     日豪両政府は、外務・防衛閣僚会合(2プラス2)をシドニーで開いた。海洋進出を強める中国を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進する方針で一致し、共同声明を発表した。

     声明で「地域の緊張を高めるあらゆる行動に対する反対」を明記したことは重要だ。

     中国は、南シナ海の軍事拠点化を一方的に進め、周辺国との緊張感は高まっている。「航行の自由」や「法の支配」を確立するには、国際社会が一致して中国に自制を促すことが欠かせない。

     自衛隊は、米軍や豪州軍と連携し、東南アジア各国軍との共同訓練を重ね、警戒監視などの能力向上に努めることが肝要だ。制服組同士の交流を含め、重層的な安保協力を目指さねばならない。

     日豪の防衛相会談では、自衛隊と豪州軍が互いの国での訓練を円滑に実施できるようにする「訪問部隊地位協定」の交渉を加速させる方針で一致した。訓練に伴う負担を軽減することで、柔軟な部隊運用が可能となろう。

     航空自衛隊と豪州空軍による初の戦闘機訓練を来年、日本で行うことでも一致した。

     日豪2プラス2は2007年に始まり、今回が8回目となる。

     両国はともに米国の同盟国である。日豪に互いの防衛義務はないとはいえ、同盟国に準じた強固な関係を築いている。

     アジア太平洋地域の安保秩序は米国主導で支えられてきた。だが、自国の経済を優先するトランプ大統領の外交は、同盟重視の従来の米政権とは異なる。

     日豪両国が2国間でも安保分野の協力を広げ、結び付きを深める必要性は一層増している。

     豪州では8月、モリソン首相率いる新たな政権が発足した。

     安倍首相は来月、豪州を訪問し、首脳会談に臨む考えだ。モリソン内閣とも、日豪の連携が揺るぎないことを確認すべきだ。

     2プラス2の共同声明は、日豪など11か国の環太平洋経済連携協定(TPP)を早期に発効する重要性を盛り込んだ。自由で開かれた貿易体制を推進する上で、TPPは不可欠である。

     6か国以上の批准が発効の条件だ。手続きを終えているのは日本、メキシコ、シンガポールにとどまっている。安倍首相は豪州を含め、TPP参加国に早期の批准を働きかけねばならない。

    2018年10月11日 06時04分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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