文字サイズ

    「東海第二」延長 地元の同意をいかに得るか

     どのように安全性を向上させたのか。

     日本原子力発電は、再稼働を目指す茨城県の東海第二原子力発電所について、丁寧に情報を発信し、粘り強く地元の理解を得ていかねばならない。

     原子力規制委員会が、東海第二原発の運転延長を認可した。炉などの設備に老朽化の問題はないと判断した。国内の原発の運転期間は原則40年と定められている。認可により最長で20年延ばせる。

     運転40年の期日は、27日に迫っていた。建設から時を経た原発の安全性の判断には、慎重な確認作業を要するということだろう。

     規制委は既に、東海第二は福島原発事故を踏まえた新規制基準に適合すると判断している。主な審査は、今回で終了した。

     東日本大震災で浸水した被災原発だ。想定外の被害は二度と許されない。今後、安全対策工事が本格化する。地下60メートルまで鉄のくいを打ち込み、強固な防潮堤を築く難工事だ。2021年春までに終えて、再稼働を目指す。

     着実に進めてもらいたい。

     日本原電の保有原発は全て停止中だ。資金繰りは危うい。原発が置かれた厳しい状況を物語る。経済産業省が後ろ盾となる姿勢を示し、必要な工事費は確保できると判断された。安全確保のためのコストは惜しむべきではない。

     他にも課題は山積している。避難計画の策定はその一つだ。計画作りが定められている原発の半径30キロ・メートル圏内には、全国の原発で最多の約96万人が居住する。避難時の混乱をどう最小限に抑えるのか。調整は難航している。

     政府が全面支援して、現実的な計画を目指す必要がある。

     立地自治体の茨城県、東海村のほか、水戸市など周辺5市の理解を得ることも難題である。

     他の原発は立地自治体のみの了解で再稼働できる。東海第二は例外だ。脱原発に転じた東海村の前村長の求めで、原電は、周辺自治体の「実質的事前了解権」を盛り込んだ新協定を受け入れた。

     早々に反対を表明した首長もいるが、留意すべきは、この了解権は「拒否権」と異なることだ。冷静な対話が欠かせない。

     北海道地震の際に発生した大規模停電で、電力の安定供給の重要性が改めて認識された。原発は当面、基幹電源の一つだ。九州や四国、関西で再稼働が進む一方で、東日本では原発ゼロが続く。

     東海第二は出力110万キロ・ワットの大型原発だ。再稼働の実現へ、政府は前面に出るべきだ。

    2018年11月09日 06時05分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP