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    太陽光発電 住宅向けの活用を続けたい

     住宅向けに普及した太陽光発電設備をどう活用し続けていくか。官民で知恵を絞りたい。

     家庭などで余った太陽光発電の高値買い取りが今年11月から順次終了する。2009年にスタートした「余剰電力買い取り制度」が、10年の適用期限を迎えるためだ。

     太陽光パネルの耐用年数は20年以上とされる。まだ十分に発電できる太陽光設備を有効利用していくことが求められる。

     太陽光発電を巡っては12年に当時の民主党政権が、事業者による太陽光発電の「全量」を高値で買い取る制度を始めた。

     これに事業者が殺到し、買い取り費用を賄うために電気料金が高騰する弊害を招いた。

     一方、住宅向けは、家庭で使い切れなかった「余剰分」を電力会社が買い取るため、電気料金の押し上げ効果が相対的に小さい。太陽光発電の着実な普及に一定の役割を果たしたと言えよう。

     買い取り期間の終了は、11~12月だけで53万件、23年までに165万件に上る。1キロ・ワット時当たり最高48円だった買い取り価格も10円弱に下がる見込みという。

     買い取り期間を過ぎた太陽光発電を、国内自給できるクリーンな電源として生かしたい。

     ただし、課題も多い。

     何も対応しないまま買い取り期間が終わると、家庭の余剰電力は無償で電力会社に送電され、収益機会を逃すことになる。

     電力各社の送配電網には、契約外の電気が流れ込み、電力需給調整が難しくなるという。こうした事態を避けるには、新たな売電契約を結ばなければならない。

     現在電気を売っている契約者には、電力会社から期間終了の半年ほど前に通知が届く。これを見逃さないことが重要だ。

     蓄電池を購入し、好天時に発電した電気をめ、夜などに使い切る方法もある。電気代が安くなるほか、災害時の備えにもなる。

     だが、蓄電池の設置費用は一般的に200万円程度と高い。幅広く普及させるには、安価な蓄電池の開発が欠かせない。

     懸念されるのは、買い取り終了後の「ゼロ円売電」をことさらに強調し、高価な蓄電池の購入や新たな売電契約の締結を迫る営業が横行しかねないことである。

     売電できる事業者は複数ある。どのような対応が最も得なのか慎重に見極めることが大切だ。

     経済産業省や消費者庁は業界の動向を監視し、事業者や家庭への注意喚起に努めるべきだ。

    2019年01月11日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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