沖縄県民投票 基地問題の混迷を憂慮する

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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の危険性を除去することが、基地問題の原点である。県民投票は長年の取り組みへの配慮を欠く。対立と混迷が深まるだけではないか。

 普天間飛行場の移設問題で、名護市辺野古沿岸部の埋め立ての賛否を問う県民投票が告示された。24日に投開票される。

 住宅地に囲まれた普天間は、住民を巻き込む事故の危険にさらされている。騒音被害も大きい。

 厳しい安全保障環境の中、抑止力を維持しつつ、住民生活に配慮する。辺野古移設は、この観点から、政府が米国と協議してまとめた実現可能な唯一の案である。

 県民投票は、埋め立てについて「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択で問う。

 条例は、最も多い選択肢が投票資格者総数の4分の1に達した場合、知事は結果を尊重し、首相と米大統領に通知する、と定めているが、法的拘束力はない。

 住民投票は本来、市町村合併などの課題について、その地域の有権者の意見を聞くのが目的だ。

 安保政策は、国民の生命、財産と国土を守るため、国際情勢と外交関係を勘案し、政府が責任を持って進めるべきものである。住民投票にはなじまない。

 条例制定を主導した政治勢力は、4月の衆院沖縄3区補欠選挙や夏の参院選を前に、移設反対派の結束を固めたい、という思惑があるのではないか。

 基地問題を二者択一で問うことへの批判が高まると、場当たり的に選択肢を増やした。だが、本質的な問題は何ら解消されない。

 肝心なのは、普天間の固定化を防ぐことである。

 1995年の米兵による少女暴行事件を受け、当時の橋本首相と大田昌秀沖縄県知事が協議し、普天間の返還や沖縄振興を進める方針で一致したのが出発点だ。

 長年にわたり、政府と県は互いの立場を尊重しながら、移設計画に取り組んできた。この努力を無駄にすることは許されまい。

 玉城デニー知事は、普天間の危険性除去を求める一方、辺野古移設に代わる現実的な案は示していない。県政をあずかる立場として、無責任ではないか。幅広い民意をまとめて、政府とともに基地負担軽減を目指すべきだ。

 政府は県民投票の結果に左右されず、安全を考慮しながら、埋め立てや護岸工事を粛々と進める必要がある。様々な機会を活用して県と対話を重ね、丁寧に理解を求めていく努力も不可欠だ。

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445018 0 社説 2019/02/15 05:00:00 2019/02/15 05:00:00

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