池江璃花子選手 若年の白血病治療を支えよう

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 池江璃花子選手が、白血病との診断を受けたことを公表してから1週間が経過した。競泳のエース選手による突然の告白だっただけに、衝撃は多方面に広がっている。

 無理からぬ面もあるが、大切なのは、池江選手が治療に専念できるよう、静かに見守ることだ。

 池江選手は、2015年世界選手権に中学生で出場して以来、世界の舞台で活躍している。長いリーチと理想的なフォームが強みだ。バタフライでは昨季、世界ランク1位となった。

 東京五輪まで1年半の時期に、プールを離れなければならない無念さは察して余りある。本人も「いまだに信じられず、混乱している状況です」とつづっている。

 重要な試合をエースが突然欠場すれば、臆測を招いて他の選手にも影響が及ぶ。そのために病名発表を決断したという。18歳が背負ってきた荷の重さを痛感する。

 桜田五輪相は「治療に専念していただいて、早く元気な姿になってもらいたい」と励ました。当然の心遣いだが、一方で、「期待している選手だから、本当にがっかりしている」とも述べた。無神経とのそしりは免れまい。

 桜田氏が失言を撤回した後に殊更、騒ぎ立てるのもいかがなものか。池江選手のことでこれ以上、波風を立てるべきではない。

 「血液のがん」と言われる白血病を克服したスポーツ選手は数多い。池江選手も「必ず戻ってきます」と気丈に記している。早期の発見だったのであれば、完治の可能性は高まるだろう。

 白血病治療を支える骨髄バンクのドナー(提供者)は不足しているが、池江選手の報道以降、仮登録が増えた。白血球の適合を待つ患者は勇気付けられよう。

 治療には、骨髄移植より準備が簡便な臍帯血さいたいけつ移植もある。大量の輸血も必要になる。こうした手立ての周知が重要だ。安倍首相は国会で、「ドナー休暇制度」などの啓発に取り組む考えを表明した。着実に進めてもらいたい。

 国立がん研究センターの推計では、15~39歳のがん発症者は年間2万人を超える。15~19歳は約900人で、白血病が最も多い。

 若年世代は進学や就職、結婚など、人生の大きな節目を控えている。若年者のがんの治癒率は向上しているとはいえ、やはり不安は尽きないだろう。

 厚生労働省は昨年、「第3期がん対策推進基本計画」に、若年世代への相談支援体制の強化を盛り込んだ。充実が待たれる。

452601 0 社説 2019/02/20 05:00:00 2019/02/20 05:00:00

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