レオパレス問題 入居者の不安解消が最優先だ

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 くつろぎの空間を提供すべき不動産会社が、入居者を不安に陥れた。その責任は重い。

 賃貸住宅大手「レオパレス21」が全国に建てたアパートで、建築基準法の規定を満たしていない物件が多数見つかった。天井や外壁、部屋を仕切る壁で、耐火性能や防音性能が不足している恐れがある。

 多くの人が暮らす共同住宅には、より高い安全性が求められる。法令順守の意識を欠いている、と言わざるを得ない。

 問題がある物件は、33都府県で1300棟を超える。補修工事のために転居が必要な入居者は最大約1万4400人に及ぶ。特に危険度が高い物件に住む約7800人は、早期の転居を迫られる。

 転居費用はレオパレス側が負担するというが、入居者にとっては寝耳に水の出来事だ。年度末の引っ越しシーズンと重なり、業者を手配できない可能性もある。混乱が生じないよう、手続きや費用補償を確実に行う必要がある。

 レオパレスは、地主らからアパート建設を請け負い、一括して借り上げて転貸する「サブリース」契約で実績を伸ばしてきた。問題の物件が建設された1996年から2001年は、会社が急成長し始めた時期と重なっている。

 昨年、防火や防音のために設置すべき天井裏の界壁が、一部の建物で設けられていないことが明らかになった。全国に3万9000棟ある物件を調査する過程で、今回の新たな不備が発覚した。

 不適切な工事がなぜ、広範に行われたのか。記者会見した深山英世社長らは「現場判断だった」と強調したが、甚だ疑問だ。

 設計図と実際の施工状況が異なるケースが多数見つかっている。各建設現場の独断で、部材や仕様に似たような変更を加えたとは考えにくい。組織的な関与があったと考えるのが自然だろう。

 工期の短縮やコスト削減といった事情はなかったのか。自らの物件が基準を満たしていない事実を知らされたオーナーも被害者だと言えよう。賃貸住宅業界のイメージダウンは避けられまい。

 レオパレスは、部材変更の際のチェック強化など、再発防止の仕組みを構築するという。信頼回復に向けて、問題が起きた背景を徹底究明し、会社全体の体質を改善しなければならない。

 国土交通省も有識者委員会を設置し、再発防止策を議論する。施工不良を見抜くため、自治体や民間機関による完了検査の在り方などを検討してもらいたい。

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454355 0 社説 2019/02/21 05:00:00 2019/02/21 05:00:00

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