中国の台湾政策 空約束に過ぎぬ「一国二制度」

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 中国共産党政権は一党支配に不都合な勢力や意見を抑圧してきた。「一国二制度」で台湾の自由や民主主義を保障すると約束しても、信用は到底得られまい。

 中国の習近平国家主席が演説し、包括的な台湾政策を初めて示した。1979年の米中国交正常化と同時に、中国は「台湾同胞に告げる書」を発表し、台湾に平和統一を呼びかけている。演説はその40周年の節目に合わせた。

 習氏は平和統一の目標と、香港やマカオで適用されている「一国二制度」を台湾に導入する方針を表明した。「台湾同胞の社会制度や生活方式は十分に尊重される」と述べ、融和姿勢を強調した。

 額面通りに受け取ることはできない。「平和統一・一国二制度」は歴代政権の基本路線だが、強権統治が強まる中で、実態との乖離(かいり)が大きくなっているからだ。

 97年に英国から中国に返還された香港では、大陸の社会主義とは異なる制度の存続と「高度な自治」が保障された。だが、民主化を求める勢力は弾圧され、言論の自由が脅かされている。

 香港の実情を目の当たりにして、台湾が「一国二制度」への拒否感を抱くのは当然だ。独立志向の強い民進党の蔡英文政権のみならず、親中的な国民党も受け入れない考えを示している。

 台湾では来年、総統選が行われる。中国が台湾の世論を分断する工作を加速させても、中国の要求に無条件で従うような政権の誕生はあり得ない。習政権は、そのことを認識すべきだ。

 問題は、習氏が米国を念頭に、台湾問題への外部勢力の介入には「武力使用を放棄しない」と主張したことである。

 中国の軍事力はいまや台湾を圧倒している。中国軍は台湾周辺で軍事活動を繰り返し、武力行使が現実味を帯びる。地域の緊張を高める言動は看過できない。

 米国防情報局(DIA)が今月公表した報告書でも、台湾の独立阻止や中台統一が、中国の軍近代化の原動力だと指摘された。一部の兵器は世界最先端の水準に達しているという。

 トランプ米政権は、台湾との安全保障や経済での協力強化を目指す新法を成立させた。24日には、米海軍の艦艇2隻が台湾海峡を通過した。この半年で4回目と、航行の頻度が高まっている。

 東アジアの安定に重要な台湾への関与を、米国が目に見える形で示し、中国へのけん制を続けることが欠かせない。

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456407 0 社説 2019/01/29 05:00:00 2019/01/29 05:00:00

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