法科大学院改革 学生の目標は司法試験合格だ

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 司法試験を受験できるまでの期間を短縮するだけでは、法科大学院離れを食い止めることはできまい。抜本的な立て直しが急務である。

 政府が、法曹養成制度の改革案をまとめた。大学法学部3年と法科大学院2年の計5年で修了する「法曹コース」の創設が柱だ。法科大学院在学中の司法試験受験も可能にする。関連法の改正案を今国会に提出する。

 現在は、法科大学院の修了が司法試験受験の条件となっている。法曹コースと在学中受験を組み合わせれば、今よりも約2年早く受験資格を得られる。

 法科大学院の志願者減少は深刻だ。2018年度は8058人で、制度がスタートした04年度の約1割にまで減った。撤退や募集停止に踏み切る学校も相次ぐ。

 改革案には、期間短縮で学費や時間的な負担を軽減し、学生を呼び込む狙いがあるのだろう。

 法科大学院の創設は、司法制度改革の目玉だった。社会人経験者らを含む多様な人材を法曹として養成する機能が求められている。今回の改革で、法学未修者が置き去りにされることはないのか。

 在学中の司法試験受験を認めることで、法科大学院での実務教育がおろそかになる懸念もある。

 法科大学院離れの最大の要因は、司法試験の合格率の低迷だ。修了者の昨年の合格率は25%で、法科大学院を経ずに受験資格を得られる「予備試験」組の78%に大きく水をあけられている。

 学生の目標は、司法試験に合格し、法律家として活躍することだ。修了しても法律家になれなければ、魅力は当然、薄れる。

 司法試験に合格する実力を身に付けさせるため、大学と法科大学院が連携し、カリキュラムを再構築しなければならない。

 予備試験の在り方にも問題がある。元々は、経済的な事情などで法科大学院に進学できない人のための例外的な制度のはずだ。

 それが今や、優秀な学生が法科大学院を経ずに受験資格を得るためのバイパスとなっている。現状が、予備試験が設けられた趣旨に反していることは明らかだ。

 法科大学院を今後も法曹養成の中核として存続させるのなら、予備試験の受験資格を制限することも選択肢の一つだろう。

 現行の司法試験については、一部の科目で問題の分量が多すぎるとの指摘がある。国民の役に立つ法曹を増やすために、学生の実力をどう測るか。法科大学院改革と同様に、重要な論点である。

無断転載禁止
464468 0 社説 2019/02/27 05:00:00 2019/02/27 05:00:00

おすすめ記事

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ