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東名あおり事故 悪質な危険運転が断罪された

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 高速道路での常軌を逸した行為には、危険運転致死傷罪を適用するしかない。裁判員の強い思いがうかがえる。

 神奈川県内の東名高速道路で昨年6月、夫婦2人が死亡した「あおり運転」事故の裁判員裁判で、横浜地裁は、被告の男に懲役18年の判決を言い渡した。争点だった危険運転致死傷罪の成立を認めた。

 男は、一家4人が乗るワゴン車の前に割り込み、急減速する行為を4度も繰り返した。典型的なあおり運転である。ワゴン車を追い越し車線上に停車させ、被害者への暴行にも及んだ。その直後に大型トラックが追突した。

 判決は「事故は、妨害運転と車の停止、被害者への暴行に誘発されて生じた」と指摘した。あおり運転から暴行までを一連の行為と捉え、事故を招いたとの考え方には、うなずける面がある。

 男は、パーキングエリアで駐車方法を注意されて立腹した。判決が「車を止めさせて文句を言いたいという身勝手かつ自己中心的な動機から短絡的に犯行に及んだ」と非難したのは当然だ。

 危険運転致死傷罪は、走行中の行為への適用を想定する。今回の事故での適用は難しいとの見方が少なくなかった。弁護側も「停車後の事故には適用できない」と、この罪では無罪を主張した。

 より軽い刑を求めていた弁護側が控訴すれば、適用の是非が再び争点になるだろう。

 危険運転致死傷罪は、東名高速で飲酒運転のトラックが乗用車に追突し、女児2人が死亡した事故を契機に、2001年に創設された。当初、懲役15年だった法定刑の上限は懲役20年に引き上げられ、適用対象も拡大された。

 それでも、適用のハードルは高い。車を高速道路に停止させる行為は、テロにも使われる手口だとして、その行為自体を処罰対象にすべきだとの意見がある。検討に値するのではないか。

 あおり運転は、全国で多発している。今回の事故を契機に、ドライブレコーダーを装着する車が増えるなど、ドライバーには自衛の意識が高まっている。

 警察庁は1月、全国の警察に取り締まり強化を指示した。車間距離保持義務違反の摘発件数は急増し、10月までに1万件を超えた。運転免許の停止処分や刑法の暴行罪を適用する事例も目立つ。

 あらゆる法令を駆使し、ドライブレコーダーの記録なども活用する。警察には、悪質なあおり運転に厳しく対処してもらいたい。

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464803 0 社説 2018/12/15 05:00:00 2018/12/15 05:00:00

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