高齢ドライバー 事故を起こしてからでは遅い

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 加齢による認知機能や運動能力の低下は避けられない。警察や自治体が連携を深めて、痛ましい事故を未然に防ぐ対策を急ぐべきだ。

 75歳以上の高齢ドライバーによる交通死亡事故が昨年、460件に上った。前年より1割増え、死亡事故全体に占める割合は15%と過去最多だ。高齢になると、年齢が上がるほど死亡事故を起こしやすい傾向がある。

 ブレーキとアクセルの踏み間違えなど、操作の誤りによる事故が多いのが特徴だ。昨年1月、岡山県で集団下校中の小学生が車の多重事故に巻き込まれて死傷した事故も、運転していた70歳代女性による操作ミスが原因だった。

 事故は、被害者にとってはもちろん、起こした本人にとっても取り返しがつかない惨事だ。75歳以上の免許保有者は約540万人で、10年前の約2倍に増えている。高齢化が進む中、踏み込んだ取り組みが求められる。

 2017年3月施行の改正道路交通法で、高齢ドライバーに対する認知機能検査が強化された。

 施行から1年で、約5万7000人が「認知症のおそれ」があると判定された。このうち、約1900人が医師の診断を経て、免許取り消しや停止となった。

 検査予約が殺到し、受検待ちが長期化している地域もある。まずは、この現状改善が望まれる。

 検査後に、症状が急に進むケースもある。運転に問題がないか、周囲の目配りが欠かせない。

 事故の原因は、認知症だけではない。免許更新時の講習などを通じて、高齢者自身が加齢に伴う身体機能の低下を自覚し、慎重に運転することが重要になる。

 警察庁は、高齢者向けに、自動ブレーキなどを搭載した「安全運転サポート車」限定免許の導入を検討する。メーカーによる一層の技術開発を期待したい。

 免許の自主返納も選択肢だが、地方では、買い物や通院などのためにマイカーを手放せないと考える高齢者が多い。免許を返納した後も、生活の質を落とさない仕組みを整備することが大切だ。

 自治体は、免許返納者へのバスやタクシーの割引といったサービスを充実させる必要がある。滋賀県警などでは、免許返納の情報を地域の高齢者福祉の拠点に伝え、生活に不便が生じぬよう支援している。参考になろう。

 免許返納を拒む親らの説得に悩む家族も多い。全国の免許センターなどに設けられている相談窓口を積極的に利用したい。

473154 0 社説 2019/03/05 05:00:00 2019/03/05 05:00:00

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