中国全人代開幕 異質な政策の是正が問われる

無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 中国の習近平政権は、改革姿勢を強調するだけでは米国との対立や経済の失速を回避できない。安定的な成長に向け、異質な政策を是正できるかが問われよう。

 中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が開幕した。李克強首相は政府活動報告で、今年の経済成長目標を、前年の「6・5%前後」から「6~6・5%」へと実質的に引き下げた。

 「経済は下押し圧力が強まっている」と述べ、大規模減税や社会基盤投資の拡大など、景気刺激策に力点を置く方針を示した。

 経済の減速に歯止めがかからず、所得格差などに対する社会の不満が増大すれば、習国家主席の求心力低下は必至だ。10月に建国70年を控え、政権が危機感を深めているのは間違いない。

 李氏は、米国との貿易摩擦について「一部企業の生産・経営、市場の先行きに悪影響をもたらしている」と率直に認めた。米国をりょうするハイテク大国への戦略として警戒されている「中国製造2025」には言及しなかった。

 今月にも行われる米中首脳会談で最終決着が図られるのを前に、協調姿勢を示したのだろう。

 全人代では、外国企業への技術移転強要を禁じる「外商投資法」も、昨年12月の草案公表から異例の速さで成立する見通しだ。米国は、中国による自国産業の過剰な保護や、知的財産権の侵害の是正を強く求めている。

 問題は、実効性が確保されるかどうかである。李氏は「約束は誠実に履行する」と強調する一方で、「自らの合法的な権益は断固として守り抜く」と主張した。

 習政権は、政府の情報活動への国民の協力を義務づける「国家情報法」や、政府によるネット規制を正当化する「サイバーセキュリティー法」を成立させている。

 先進国と著しく異なる法制度を根本的に見直さなければ、米国など各国の不信感を払拭ふっしょくできないことを、習政権は理解すべきだ。

 軍事予算は、前年比7・5%増の1兆1898億元(約19兆8500億円)と発表された。日本の防衛予算の4倍近くになる。軍事費の伸び率が、経済成長率を上回る傾向には懸念を拭えない。

 空母の相次ぐ建造や、中長距離弾道ミサイルの増強は、周辺国にとって脅威である。

 4月の中国海軍創設日には国際観艦式が、10月には建国記念の軍事パレードが行われる。強軍路線の誇示は、米国などの対中警戒論に拍車をかけるだけだ。

474824 0 社説 2019/03/06 05:00:00 2019/03/06 05:00:00

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ