送金業の改革 安全性と悪用防止を最優先に

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 利便性を高めつつ、利用者保護や悪用防止に万全を期す必要がある。

 金融庁が、1回に100万円を超える送金業務を、銀行以外の企業に認める方向で検討を進めている。

 金融庁は今夏にも、改革の大枠を取りまとめる。来年の通常国会をめどに、資金決済法などの改正法案を提出する方針という。

 迅速で割安な高額送金サービスが登場すれば、高額品の決済にも使えるなど、活用の幅が広がる。銀行が独占する企業間の高額送金での競争促進も期待できよう。

 送金を担う業者は、銀行のほか、2010年から登録制で業務が認められた送金業者がある。

 送金業者は現在、60社以上を数える。スマートフォンなどを使ったお金のやり取りが普及したことから取扱額が増えて、17年度には1兆円を超えた。

 ただし、1回の送金額は100万円以下に制限されている。この規制が、金融とIT(情報技術)を融合させたフィンテックの革新を妨げているとの指摘もある。

 金融庁は、登録制より要件の厳しい認可制の業種を設け、上限のない高額送金を認める考えだ。

 送金業者を通じた送金は、1回当たり5000円未満が、全件数の半分以上を占めている。今のところは、個人による少額での利用が主流と言える。

 現行の制度を見直すことによって、高額送金を早く、安く行いたいという企業のニーズにも対応できるのではないか。

 特に銀行の国際送金は、時間がかかりすぎるとして、企業などの間で不満の声が根強い。

 送金の早さを売り物にした新規業者が参入すれば、銀行はサービスの改善を迫られよう。

 高すぎると指摘される銀行の国際送金手数料にも、引き下げ圧力がかかるとの見方は多い。

 利便性の向上は歓迎できるが、肝心なのは、送金が安全・確実に行われることである。

 新制度の導入にあたって、利用者保護の方策を強化しなければならない。新規事業者に自己資本規制を課すなど、利用者の資産保全に資する制度が求められる。

 高額の海外送金を扱う業者が増えれば、マネーロンダリング(資金洗浄)などに悪用されるリスクが高まる懸念は拭えない。

 3メガバンクが、現金による海外送金の窓口受け付けを停止する方向となるなど、対策強化の動きが広がっている。新たな高額送金業者に関して、実効性のある対策をどう講じるかが課題となる。

475968 0 社説 2019/03/07 05:00:00 2019/03/07 05:00:00

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