参院予算委員会 円滑な消費増税へ議論尽くせ

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 参院予算委員会で2019年度予算案の本格的な審議が始まった。与野党は、経済再生や外交など幅広く国政の課題を掘り下げるべきだ。

 野党が再び焦点を当てたのは、毎月勤労統計の不適切な処理問題である。厚生労働省の特別監察委員会の追加報告書について、「中立性がない」と問題視する。組織的隠蔽いんぺいを認めなかった結論にも、批判を強めている。

 安倍首相は「一般的な感覚では、隠蔽ではと思う」としながらも、法律的な観点から隠蔽ではないと整理された、と説明した。

 長年の不手際を招いた原因は、官僚組織の劣化だ。隠蔽の定義にこだわれば、問題の本質を見失いかねない。大切なのは、不適切な処理の実態解明と、組織の抜本的な改革である。

 根本厚労相は、全職員を対象とした研修や、統計業務への民間人の活用といった対策を講じると表明した。与野党は、その妥当性を議論する必要がある。

 10月からの消費増税への対応こそ、予算審議の重要な論点だ。

 米中の貿易摩擦や中国の景気減速を受けて、日本経済の先行きを懸念する声が出始めている。

 野党は、増税をみたび先送りする可能性があるのか、と問いただした。首相は「リーマン・ショック級の出来事がない限り、引き上げる」と改めて強調した。

 消費税は、増大する社会保障負担を支える基幹税である。経済危機に陥らない限り、確実に税率を引き上げねばならない。

 肝要なのは、消費増税を円滑に行う環境をどう整えるかだ。

 19年度予算案には、2兆円の経済対策が盛り込まれている。家計の負担を軽減するポイント還元制度や住宅購入者支援、プレミアム付き商品券など多岐にわたる。

 こうした対策の意義や効果の吟味が欠かせない。

 物別れに終わった2度目の米朝首脳会談を踏まえ、対北朝鮮外交についても論議を深めたい。

 トランプ米大統領は金正恩朝鮮労働党委員長に対し、日本人拉致問題について提起した。

 首相は、金委員長との直接会談で解決する意志を強調する。北朝鮮からどう前向きな対応を引き出すか。米国と緊密に連携しつつ、戦略を練る必要がある。与野党は大局的な観点から論じたい。

 19年度予算案の年度内成立は確実とはいえ、参院審議を消化試合に終わらせてはなるまい。「再考の府」として、専門的見地からの論戦が求められよう。

475969 0 社説 2019/03/07 05:00:00 2019/03/07 05:00:00

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