IT企業調査 取引実態の解明を急ぎたい

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 ネット上でショッピングモールを営む巨大IT(情報技術)企業と出店業者の関係は、不透明な部分が多い。取引実態の解明を進めるべきだ。

 公正取引委員会は「オンラインモール」に関するアンケート調査を始めた。多くの出店業者に呼びかけ、出店料や利用規約の内容、体験談などを回答してもらう。

 モール運営の3強であるアマゾンジャパン、楽天、ヤフーは、ネット空間に多数の顧客を抱え、出店業者に対して強い立場にある。一方的な契約変更や負担増を出店業者に強いていないか、3社の市場を中心に調べる。

 調査を通じて、急速に成長するネット通販事業の内実をより正確に把握する意義は大きい。

 公取委は結果を4月頃にまとめる。問題点の着実な是正と規制強化につなげてもらいたい。

 購入額に応じて利用者にポイントを還元する制度についても、適正さをチェックする。

 アマゾンは、購入額の1%以上をポイントとして付与する方針を表明した。5月から、全商品を対象に実施するという。

 焦点は、出店業者に対し、ポイント還元を強制する仕組みになっているかどうかだ。

 強い立場を利用して、取引先に不利益を甘受させる「優越的地位の乱用」にあたる行為はないか。綿密に検証すべきである。

 公取委が昨年実施した別の調査では、オンラインモールの利用料に「不満がある」と回答した出店業者は約4割に上った。

 出品者が大企業ならば、モールの運営会社と対等に話し合える。撤退も可能だ。一方、立場の弱い中小・零細企業だと、不公平な条件であっても、受け入れざるを得ないことが多いのではないか。

 公取委は今回、スマートフォンで様々なアプリを入手する際に使う「アプリストア」の取引実態についても調査している。

 アプリストアはアップルの「アップストア」とグーグルの「グーグルプレイ」が2大勢力だ。アプリ業者は、ほぼ両社を通じてしかアプリを販売できない。

 業者からは、一方的に販売を中止させられたといった声が上がっている。仮に、強い支配力を背景にした不公正な取引があったとすれば、放置できまい。

 巨大IT企業は大量の顧客データを武器に、市場の寡占化を進める。その弊害に対する懸念は世界的に強まっている。政府は海外当局とも連携し、時代に即した規制の見直しを急がねばならない。

477466 0 社説 2019/03/08 05:00:00 2019/03/08 05:00:00

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