コンビニ 「インフラ機能」維持が課題だ

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 24時間営業が当然とされてきたコンビニエンスストアが変わるきっかけになるだろうか。

 顧客の利便性の維持と労働環境の改善を両立させる視点が欠かせない。

 最大手のセブン―イレブン・ジャパンが3月中旬以降、営業時間を午前7時~午後11時にする実証実験を始める。東京や愛知などの直営10店舗に加え、全体の98%を占めるフランチャイズ(FC)店の一部でも実施する方向だ。

 売り上げや来店客数への影響などを調べ、時短営業の店を広げるか検討するとみられる。

 「年中無休、24時間営業」を前提としたビジネスモデルに対する問題提起と言えよう。立地する地域の特性や店側の事情に応じた柔軟な対応を期待したい。

 実証実験のきっかけとなったのは、大阪府のFC店オーナーだ。深夜帯の店員確保が難しいとして営業を19時間に短縮し、契約違反だと主張する本部と対立した。

 24時間営業の契約を結んでいるとはいえ、人手不足をすぐに解決することは困難である。現状は持続可能とは言えまい。

 一方、営業時間短縮に伴う減収を警戒する店も多いはずだ。ローソンでは過去に時短営業を実験したが、昼間も含めて売り上げが落ち込んだという。FC店の意向に配慮した運営が望ましい。

 深夜営業を続けるため、全国的にオーナーが過重労働を強いられているとの指摘もある。

 本部側がFC店の声に耳を傾け、店舗運営の改善に粘り強く取り組んでもらいたい。

 セルフレジの導入など、省力化の動きも加速させるべきだ。

 セブン―イレブンは40年以上、24時間営業を続けてきた。弁当・総菜作りや物流の仕組みは、それを前提に作られている。

 顧客が少ない深夜帯に商品を集中的に配送するため、効率性は高い。消費者の支持があったからこそ、ファミリーマートやローソンも追随し、根付いたのだろう。

 今やコンビニ店舗は業界で約5万6000店に上り、来店者数は年間170億人を超える。災害時には帰宅支援や物資提供の重要な拠点となる社会インフラである。不審者に追いかけられた女性の駆け込み保護は深夜帯に多い。

 人々の生活にとって不可欠な存在となっている。時短営業が広がれば、取引先や地域住民など多方面に影響が出る。

 コンビニがインフラ機能を維持していくにはどうすべきか。社会全体で知恵を絞りたい。

479091 1 社説 2019/03/09 05:00:00 2019/03/09 05:00:00

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