自衛官海外派遣 人的貢献で日本の信頼高めよ

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 新たな法制に基づき、自衛隊による国際貢献を積極的に展開していくことが肝要である。

 政府は、エジプト東部のシナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦監視にあたる多国籍軍監視団(MFO)に、陸上自衛隊員を派遣する方針だ。司令部要員2人を送る方向で準備している。

 自衛隊の海外派遣は、国連平和維持活動(PKO)などに限られてきた。2015年に安全保障関連法が成立し、国連が統括しない人道復興支援活動などへの参加に道を開いた。「国際連携平和安全活動」という新任務である。

 PKOに類似する活動であり、今回、派遣が実現すれば、初の適用例となる。人的貢献の幅を広げる意義は大きい。日本が掲げる積極的平和主義にも沿う。

 日本は、原油輸入の8割以上を中東に依存している。エネルギー資源を安定的に確保する観点からも、中東地域の和平に主体的に関わることは重要だ。

 MFOは、中東戦争後の1982年に設立され、米英など12か国が参加する。日本は活動を財政面で支援してきた。今回の要員派遣は、MFOの要請に基づく。

 陸自隊員は、シナイ半島南部にある現地司令部で、各国との連絡調整や任務の仲介にあたる。

 過激派組織「イスラム国」の勢いは衰えたとされるが、中東でのテロへの警戒は怠れない。派遣先の治安は比較的安定しているとはいえ、安全に注意を払いながら、任務にあたる必要がある。

 政府は92年以降、PKO法や特別措置法に基づき、延べ1万5000人以上の自衛隊員を海外に派遣した。現在は南スーダンPKOに司令部要員を送っている。

 大規模な部隊派遣は、2017年に南スーダンから撤収して以降途絶えている。PKOの主要任務が、かつての停戦監視から、治安維持や文民保護など危険度の高い活動に移ったことが、日本の部隊派遣を困難にしている原因だ。

 国連の専門家チームは、PKO要員の死者の増加を踏まえ、参加各国に装備の拡充など態勢の強化を促す提言をまとめている。

 日本はPKO参加5原則で、紛争当事者間の停戦合意や最小限の武器使用などを定める。安保関連法で、任務の妨害を排除するための武器使用を認めたが、なお制約が多いとの指摘がある。

 自衛隊の安全を確保しつつ、海外で活動する機会を広げることが欠かせない。5原則の在り方を含め、多角的に検討すべきだ。

480212 0 社説 2019/03/10 05:00:00 2019/03/10 05:00:00

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