日産・ルノー 合議制で競争力を強化したい

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 世界第2位の自動車グループが連合維持に向けて本格的に動き出した。関係修復の重要な一歩となるよう期待したい。

 日産自動車、仏ルノー、三菱自動車は提携強化の司令塔となる新組織の発足を発表した。3社のトップ4人が主導する。

 会社法違反(特別背任)などで起訴されたカルロス・ゴーン被告に、グループ運営の権限が集中していた体制を合議制に改める。

 日産の調査では、旧体制がゴーン氏による私的流用などを生む要因になった。それを踏まえれば、改革の方向性は妥当だろう。

 合議制には意思決定が遅くなる欠点もある。スピード感のある経営判断を下せるかが問われる。

 3社のトップは共同で記者会見した。3社の足並みがそろっていることを、内外にアピールする狙いがあったとみられる。

 新組織の議長を務めるルノーのジャンドミニク・スナール会長は「提携当初の精神を取り戻したい。迅速な意思決定と各社のブランドを尊重する精神だ」と述べた。

 スナール氏は、日産の会長ポストを求めない考えも示した。

 日産に4割超を出資するルノーは、日産や三菱自との経営統合を検討し、ルノー筆頭株主の仏政府もそれを後押ししていた。合議制にすることで、独立性を確保したい日産、三菱自にルノーが配慮した面もあるのではないか。

 日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は「完全なイコールパートナーシップ(対等の関係)で運営する」と語った。

 心配なのは、経営統合を巡って3社や仏政府の間で、対立の火種がくすぶっている点だ。

 スナール氏は新組織の発足が株主構成などに影響を与えないとしたが、仏政府が統合を望む姿勢を簡単に変えるとは考えにくい。

 確かに、日産が1990年代後半に経営危機に陥った際、救済したのはルノーである。だが、今では、日産が売上高や営業利益などでルノーを大きく上回る。

 強引に統合を進めれば、日産や、その傘下の三菱自が反発することは避けられまい。3社は信頼関係の回復をまずは優先すべきだ。

 クルマ業界は、自動運転技術の開発や電動化など大きな変革期にある。生き残りをかけた競争が世界規模で繰り広げられている。

 ゴーン氏の逮捕・起訴をきっかけに、3社連合の戦略が停滞を余儀なくされたのは痛手だった。

 グループ内で対立している場合ではない。新組織発足を機に、提携を深化させる必要がある。

485963 0 社説 2019/03/13 05:00:00 2019/03/13 05:00:00

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